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カテゴリ:絵画.・アート
フェルメール「ターバンの少女」を日本に呼んだ伝説のキュレーターであり、金沢21世紀美術館を立ち上げ、金沢市助役にも就任していた蓑豊氏が、3月31日付けで退職し、オークション会社サザビーズの北米本社副社長に転進していた。 http://www.asahi.com/culture/update/0319/014.html?ref=rss サザビーズからは10年越しの誘いを受けていたそうで、「これからは、素晴らしい美術品に囲まれた静かな余生を送りたい」とのコメントだそうで、なんとも羨ましい限りであるが、またもやの人材流出に心が痛む思いである。 先月、主人が不意に「スミソニアンに行きたい」と、叫びだして(結局熱はすぐ冷めてしまったのだが)、アメリカの美術館・博物館のガイドブックを紐解いだのだが、その所蔵品の素晴らしさに、呆然としてしまった。印象派など、日本のお家芸かと思っていたら、なんの、印象派の優品は、今やアメリカにあるのだ。その大きさ、質の高さは、ゴッホの「ひまわり」を50何億円出して購入して悦に入っている美術館があるが、それが霞んでしまう作品がゴロゴロしているのが、ガイドブックの写真からも見て取れる。レンブラントの名品もほとんどがアメリカに持っていかれているそうで、まさに、富の集積は、美の集積でもある。 これからして、蓑氏の転進は、余生ではなく、まだまだ一仕事の余地のあるフィールドへの転進ではないかと、余計羨ましくなってしまった。 大体に、日本の美術鑑賞環境は、お粗末にすぎる。3月20日から開催中のダ・ヴィンチの「受胎告知」の展覧方法など、その最たるものではないか!これでは、ディズニーランドの30分待ち、1時間待ちの行列とどこが違うのだ。 http://www.asahi.com/event/TKY200702260209.html ウフィツィでは、確かにこの絵画は至宝ではあるが、それはあくまで「one of them」、数ある宝物の一つであって、静かにさりげなく置かれていて、われわれは、心ゆくまで眺めることが出来た。それが、この方法では、立ち止まることさえ出来そうにない。こんな鑑賞はまっぴらごめんである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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