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カテゴリ:陶磁器
まだハプスブルグ帝國の旅は始まったばかりというのに 眞葛香山の作品に魅せられてしまい 性懲りもなく、昨日写真を撮りに出かけてしまった。 高浮彫渡蟹水盤 備前のような土物に、鉄釉をかけたものに渡蟹が二匹からんでいる。 蟹のリアルなこと、とても陶器とは思えない 香山の手になる同種の物が、国立博物館に所蔵されている。 田邊コレクションは、それに匹敵する優品ということである 「高浮彫」とは、精密な彫刻を掘り込んで表現する技法 高度な技術を必要とされ、 8年の長きを経て完成に至った物もあったという 香山は、その精密を期するため 自宅の庭に様々な生き物を飼育したり、植物を栽培して研究したそうである。 これも研究の賜物か 眠りから醒めたばかりの猫の表情が、生き生きと活写されている うちの「ゆき」に似ていて、可愛い。 下部の「牡丹」も、すばらしい出来である。 眞葛香山は、本名宮川虎之助 天保13年(1842年)、京都眞葛ケ原の焼き物師宮川長造の四男として生まれ 18歳のとき、父や兄が相次いで物故したため、窯を継ぎ 色絵陶器や磁器の制作を行っていた。 明治3年に横浜太田村不ニ山下(横浜市南区庚台)に窯を移し 欧米の博覧会へ出品する陶器を製作していく 彼の作る、彫像を生かした「高浮彫」は、たちまち評判を呼び、 「けだし、見るもの、価を問わずして購入せしめんとす」とまで言われるようになり フィラデルフィア、パリ、アムステルダム、シカゴ等の万国博覧会や 国内の内国勧業博覧会で、多くの賞を受けていった
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