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カテゴリ:陶磁器
今回の展示品の中で、一番心を惹かれたのが これ ↓
高浮彫桜に群鳩花瓶一対 高さは7,80cmもあろうか、豪華な一対の花瓶である。 花や鳩の細工の精緻を極めていること、驚くばかりである。
香山は、明治21年家督を息子の半之助に譲り、 新しい釉薬の研究に没頭し、大正5年、75歳で死去した。 半之助は二代香山、その息子の葛之助は三代香山を名乗り、跡を継いだが 昭和20年の横浜大空襲で、三代香山とともに窯場も消失してしまい 眞葛焼きの命脈は絶えてしまったという。 作品の大部分が海外に売られていったことも影響し 「眞葛焼き」「眞葛香山」の名は、いつしか忘れ去られ、「幻の陶器」の名のみ残った。 ここに、運命の邂逅が起こる。 由比町出身の田邊哲人氏が、横浜に居を定めたのである。 奇しくもそれは、香山の窯場の近くであった。 昔ここに「眞葛焼き」という窯場があり、沢山の綺麗な作品を作り出していた しかし、その製品はほとんどが海外に流失し、残っている物は少ないため 「幻の窯」となっている、ということを聞いた田邊氏は どうかして手に入れたいと願い、 やっと入手したその作品の美しさに打たれた氏は、 海外のオークションや友人たちの人脈からの情報をつてに 以後40年にわたる眞葛香山の作品の収集を始めるのである。 この邂逅なくしては、眞葛香山の名は、幻のままに終わったであろう そう思うに連れ 運命の不思議さと、田邊氏の情熱に、深く敬意を表するとともに できうるなら、このコレクションを 公共の場で常設的に展示できる場を設けていただきたいと、切に願うものである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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