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カテゴリ:旅
のっけから、とんでもないことを伺うようだが、 お坊さんが唱える般若心経は、何語かご存知だろうか? 答えは、サンスクリット語を日本語読みしたものである。 これと同じことがキリスト教の聖書にも当てはまる。 ハンス・ホルバインの絵の中では、一番有名なこの肖像 痴愚神礼賛の著者エラスムス 彼が聖書の研究に取り組んだ時、最初にしたことは、ギリシア語を学ぶことだった。 なぜなら、聖書の原典はギリシア語だったからである。 僧侶たちに解釈されたものでない、オリジナルな聖書の精神を学ぶ それが、エラスムスの成し遂げたことであった。 同じ考えを持ったドイツ人がいた、マルティン・ルターである。 (ルーカス・クラナッハ作「マルティン・ルター」) 彼もまた、それまでラテン語で出版されていた聖書をドイツ語に訳し出版し、 庶民が聖書の教えを自分の言葉で理解できるようにした。 この二人の人物が、奇しくもホルバインの運命と交錯する。 ルター主導の宗教改革の嵐が吹き荒れることとなり、 それまでホルバイン家が生業としていた宗教画の注文が途絶えてしまった。 バーゼルを活動の場としていたホルバインは 同じバーゼルに住むエラスムスの知遇を得ていて エラスムスの紹介によりトマス・モアを頼って、イギリスにわたることとなった。 これにより、ヘンリー8世の宮廷に仕えることとなるのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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