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カテゴリ:絵画.・アート
わたしとムンクの出会いは、38年前にさかのぼる。 そのスカンジナビア館に、ムンクの「思春期」が展示されていた。 大きな目を見開いて、こちらを見つめる少女 まだ堅い、前思春期の肢体 これから向いあわなければいけない大人の世界を感じ 大きく見開いたその目で自らのアイデンティティを確かめようとしているのか その存在の不安を表すかのような、背後の大きく伸びた黒い影 大学に入学したての後期思春期のわたしの心は一瞬で魅了され 以後、この少女は、わたしの心の中に住み着いています。 当時700円という、けっこうな入場料にもかかわらず (ラーメン一杯100円、コーヒー80円の時代でした) わたしは、この少女に会うためにだけ5回も万博会場に通いつめました。 今思うに、この少女はダグニーがモデルだったかもしれません。 あるいは、ムンクの年若くして亡くなった姉妹か。 19世紀末の不安な空気を色濃く反映したムンクの絵画は 時を経て、20世紀末を経験した我々にも その存在にかかる根源的な問いかけを突きつけています。 それゆえに、また、その魅力は色あせることのない輝きを発し続けけているのでしょう。 ムンク「二人の姉妹」は 青山ユニマット美術館で、10月20日まで公開されています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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