|
カテゴリ:絵画.・アート
春の夜の夢の浮橋途絶えして、峯にわかるる横雲の空 定家のこの華麗な歌は 夢というものの、あまやかさ、はかなさを余すところなく描ききっているが 夢の淡いには、またこんなものも生息している (舟越桂「夏の邸宅」より) 本来の展覧会であれば、このような形 ↓ での展示が主流であろうが 今回は、旧浅香宮邸という絶好の舞台を得て さながらに、夢の邸宅に住まいする夢幻の生物のように 彫刻やデッサンなどが跳梁する。 これらの彫像たちの密かな息遣いがきこえるようではないか。 ひそ、ひそ、ひそ ひた、ひた、ひた 特別に誂えたアール・デコの衣装を凝らした邸宅が まるでこのために存在したかのような展覧会でした。 しかし 「スフィンクス」と題された舟越さんの最新作 みなマッチョなんですよ 男性の筋肉質の体に乳房がくっついているだけ 作者としては意味があるのだろうけれど これでは「熾天使」(セラフィム)とはとても言えない 「啓示」を齎す両性具有の存在としての「熾天使」(セラフィム) 是非、コレをめざしていただきたい、というのが 今回の展覧会での唯一の不満でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[絵画.・アート] カテゴリの最新記事
|