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カテゴリ:絵画.・アート
わたしが遠藤画伯の絵を知ったのは 1986年の安井賞受賞作「遠い日」であった。 後に「街シリーズ」と名付けられる 何処にでもあるような、懐かしいような、でも何処にもない風景 多視点を重層的に構成した画面 そして、1992年に始まった河合隼雄市の文章に絵をつけた 「おはなし おはなし」の新聞連載 これらの「夢のあわいにいるような」ファンタジー世界に、すっかり魅せられたものでした。 遠藤画伯の画業のはじめは「楽園シリーズ」 人間や獣や植物が同じ大きさで共存している楽園 小さい頃から人間より動物や昆虫の方がなじみが深かったという遠藤画伯 「この頃は、もう絵を描くことが楽しくて仕方なかったです。 絵を描いていられるだけで幸せでしたね。」 と、ギャラリートークで、遠い日を懐かしむ遠藤画伯 その後結婚して相模原に移り住み 子どもさんの病気もあって、自分の中の孤独感に気付き それを表現しようと辿りついたのが「街シリーズ」だったとのこと 交通機関や工場などの機械文明と共存せざるを得ない我々 けれどそれらに絡みとられ、次第に自分を見失っていく 上がっているのだろうか、下がっているのだろうかわからない階段は そのような思いを表してくれているような そして広場で遊ぶ人々や、その彼方に急に開ける水平線や地平線 重層的な構成で描かれる「生」 現代の人の心を描いた作品となっていった「街シリーズ」 「自転車で疾走する母子」は、画家自身の投影であるかのように 様々な場面で登場している。 ☆ ☆ ☆ なお、遠藤画伯は、そのオフィシャル・サイトですべての絵を公開しています。 興味のある方は覗いて見てください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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