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カテゴリ:絵画.・アート
梅原龍三郎画伯の代表作「北京秋天」 これが銀座吉井画廊から盗まれた事件を以前書いた この絵がいったいどうなったのか、知りたくなって 吉井長三氏の著書「銀座画廊物語」を購入してしまった。 すると、そこにこの後日談が載っていた。 当初はこの犯人がどういう手口で絵を盗んだのかわからなかったという。 通り側の窓が開いていたので 多分そこから侵入して絵を盗み、同じ窓から出て行ったのだろうという見込みだったが 意外な人が意外な推理を展開したという それは時の首相であった佐藤栄作氏 佐藤氏の推理によると、賊は展覧会の入場者として入り込み 会場内のどこかに身を潜めていて 会場がしまった後に犯行に及んで、窓を開けて逃げ去ったのではないか、という その見込みを警察に告げ、捜索させたところ 盗難事件のあった翌早朝に 大きな包みを抱えた人間が付近を歩いていた、という目撃情報が寄せられ しかもその目撃者が画家であったため詳細な似顔絵が出来上がり その似顔絵を元に犯人はめでたく御用とあいなった。 しかし、肝心の「北京秋天」の行方は不明であった。 それが出てきたのは、犯人逮捕の7年後 窃盗事件の時効後であったという。 外国では盗難にあった絵画は、もとの持ち主に帰属するという決まりがあるが 日本の法律には善意の第三者であれば所有権を主張できる そのため、「北京秋天」は買い戻すことで落着を見たそうである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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