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カテゴリ:絵画.・アート
革命後のメキシコで公教育大臣にホセ・バスコンセロスが就任する。 彼はパブリックアートを通して一般大衆を教育する目的で 革命後のメキシコ文化を作るべく、多くの美術家・作家を雇った。 彼が目指したのは 多くの人が戦い、傷つき、死んでいったメキシコ革命の意義を伝えること、 大いなる犠牲を払って手にしたものの証を目に見える形で表わすことであった。 視覚的にこれらの革命の光景を伝えることにより 字が読めない多くの国民に、言葉で語られるよりも雄弁に 革命の理念を理解させることができたのである。 ここに、メキシコ大壁画運動が意義を持つ。 メスティーソ(混血)であるがゆえに メキシコの大衆は古代のインディオ文化も許容し その後の植民地支配、スペインからの独立運動やディアスの圧制などを通し 西欧・近代にも触れている。 これらの歴史のひとこまひとこまを描きつつ 次代を担う世代に、革命の経過と意義を伝えること それが壁画に求められた役割であった。 論より証拠 国立宮殿に描かれたディエゴ・リベラの最高傑作「メキシコの歴史」を見てみよう 中央にアステカ建国の神話にある鷲と蛇が描かれ インディオの文化と征服者たちとの争い 独立運動を指揮したイダルゴ神父や ディアス独裁政権下、国民を搾取し優雅な生活を送る資本家や大農場主 それに対抗し、「土地および自由」"Tierra y libertad" の旗を掲げた エミリアーノ・サパタやパンチョ・ビリャや農民兵の勇ましい姿が ひとつの画面に構成され メキシコの歴史がひと目で見てとれる (実は、この画面では見れませんが、この壁画の中にディエゴとフリーダもいるのです。) 現在も、この壁画の前には、写真のように多くの人々が訪れている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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