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カテゴリ:絵画.・アート
フィレンツェの隆盛はメディチ家の治世 とりわけコジモ一世の治世にその栄華を極めていた このコジモ一世が、1565年、美術史家・画家・建築家のジョルジョ・ヴァザーリに命じて 新住居であるピッティ宮殿から旧住居であるヴェッキオ宮殿まで 人目につかず行き来できる回廊を作らせ その回廊をメディチ家伝来の美術品で飾らせた アルノー川に架かるヴェッキオ橋(ポンテ・ヴェッキオ)の上部こそが このヴァザーリの回廊である ここは長らく非公開とされ、公開されている現在も 人数や公開日に厳重な制限があり、中々にその中に入ることの難しいところであるが 今回、新宿の「損保ジャパン東郷青児美術館」に そのコレクションの一部が公開されている 同美術館は、長年イタリアの藝術の振興に寄与しており 以前からフィリッポ・リッピやジオットといった 門外不出の芸術作品の招聘という奇跡的な展示を行なっているが このウフィツイ美術館の肖像画展も、その流れの一環である 残念なことに会期はこの14日(日)で終了してしまうが お時間のある方はぜひ一覧いただきたい 今年の美術展の多くは、なぜか印象派イヤーともいうべき企画が多かったが 西洋絵画の源流であるイタリア絵画を鑑賞できる貴重なチャンスである 日本の洋画の揺籃期は印象派の隆盛期であったため 西洋絵画というと印象派という風潮の強いわが国であるが 常々、この風潮は、ヨーロッパ文化理解のためには残念なことである というのが、わたしの持論である。 ここから、レンブラントやルーベンス、ホルバイン等が生まれていった その馥郁たる源流をぜひご覧頂きたいものである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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