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2024.06.25
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 ベトナムに長期滞在していると、ついつい忘れてしまうことに、「ベトナムは共産主義の国である」ということがある。なぜならば共産主義というとかなり国民の自由がなく、政治は一党独裁、今のロシアや中国では国家主席の独裁国家に見えてしまう。国内の情報統制、他国への侵略の意図など国内外を脅かすイメージが強い。

 ところがベトナムでは国民はかなり自由に生きているように見える。外国人から見た場合の話だが、ロシアや中国のような共産主義と異なると感じる。

 

 もちろんベトナム人に聞くと、政府の批判を公にはできないとか、こまごまとした共産党政権の生きづらさもあるようである。

 ちなみに政治家や役人の社会的地位が非常に高く感じるのも、共産主義だとお父さんは感じているが、そこにふれさえしなければ一般人にはあまり影響がないように思える。

 

 さて今回のタイトルにした行政の地位であるが、上にも書いたように非常に高い。共産党員だけでなく、公的機関やそこに務める人は、民間企業などよりも社会的地位が高いのがベトナムである。

 さらに言うと、彼らの中でも誰が一番偉いのかというのが、お互いに認識されていて、序列を侵害することによるもめごとはほとんどないらしい。

 

 考えて見れば、ベトナムも儒教の影響を大きく受け、そのまま現代まで習慣として引き継いできた国である。年上が無条件で偉いとなるは完全に儒教の影響だろう。ベトナムでは初対面の時、相手の年齢を聞くのは失礼ではなく必要なことである。それによってお互いの序列を確認し、相手への呼びかけや返答など使用する言葉が異なるからだ。

 

 話が脱線してしまったが、政治家、行政関係者、警察官、軍隊など公的機関に属する人たちは、選民意識でも持っているのかと思うほど態度が大きい人がいる。有力者のコネや賄賂を使わないと公的機関に入れないのも関係しているのかもしれない。

 

 この地位が高いという意識によって、お父さんたち民間企業はかなり振り回されることがある。今回2日連続でやられてしまったので、ちょっとそのことについて書いてみたくなってこの文章を書いている。

 

 一つ目は投資関係の役所から、海外からの投資家を工場見学させてほしいというのがあった。訪問希望日の3日前の出来事である。3日前と書いたが、金曜日に連絡が来て翌週の月曜日の朝に訪問したいとのことだったので、実質は前日と変わりない。

 会社案内を準備したり、訪問メンバーの確認をしたりとかなりの大騒ぎだった。ところが当日の朝、8時半訪問と聞いていた1時間ほど前の7時半ごろに、「やっぱりキャンセルする」という連絡が入った。トラブルがあったのではなく、その外国人投資家は別の省の町へ飛行機ですでに移動してしまったという。

 

 ベトナムで長く仕事をしていると、「ああ、またか」というぐらいいつもの事である。それでも予定通りに来ることもあるので準備はしなければならない。これまでも前日に依頼があり、当日にキャンセルというのはいくらでも経験している。

 おそらく役人の人たちも、自分の上司のわがままというか、指示の変更に振り回されているのだろうとは思うが、それを経験して出世した人は、上司の権利として同様の事を繰り返すという悪循環が生まれているのではないだろうか。

 

 この来客キャンセルがあった月曜日の昼前に、今度は国の行政官でかなり地位の高い人が、お父さんの会社の工場見学に来るという連絡が入った。相手が国のトップクラスの人(おそらく日本で言ったら大臣まではいかないが、事務次官のような役職の人)なので、すぐに警察が工場に来て、警備体制など打ち合わせをしに来るという。

 

 言葉通りに午後1時には警察官が4名ほど来て、打ち合わせを行った。会社の内外を見て回り、きれいにしておいてほしい場所の指摘やレッドカーペットを玄関のアプローチに敷くようにという指示まで受けた。

 日本人のお父さんにとって、どれぐらいの地位の日とかわからなかったが、レッドカーペットの指示は大臣クラスが来るときにしかないので、相当な人なのだろうと予測できた。

 さらに省の実質No1である共産党委員長も付き添いでやってくるというから、省全体で受け入れをするぐらいの地位にいる人である。事前に顔写真を見せてもらい、お父さんも相手を間違えないようにしていた。

 

 翌日、予定は15時頃と聞いていたのに、朝の段階で13時半になったとまた予定変更の連絡があった。その日は10時から13時まで日本の取引先会社の役員が来社することになっていたが、15時までなら問題はないと判断していた。ちなみにこの会社の訪問依頼は1か月ほど前から来ている。

 仕方がないので来社された役員さんに、急遽13時半に国の役人が来るので、13時には帰ってほしいという実に失礼なお願いをせざるを得なかった。

 

 13時半前に、女性社員20名ほどにアオザイを着てもらい、花束やお土産を用意して玄関前で待っていた。お父さんも挨拶内容の打ち合わせをして、スーツ上下にネクタイという姿で来社を待っていた。

 予定通りほぼ13時半に、15台ほどの車列を組んで彼らはやってきた。地位が高い人ほどお付というか同行者が多いのだが、今回は20名ほどだ。

 

 主賓以外の顔は学習していないので、ローカルの副社長に一番前に出てもらい、彼女の対応を見て、どれぐらいの地位の人かを予想しながらお迎え対応をした。省の共産党委員長はすぐに判断できたが、肝心のトップがなかなか現れない。残すところ2台ほどしか車が残っていない段階で、副社長に「一番偉い人はどこに?」と聞いたら、たぶんもう社内に入りましたという回答だった。

 あわててすでに応接室に入っている人達の顔を確認しに行ったが、写真で学習した人は見つけられなかった。

 

 もう一度ローカルの副社長に訪ねると、驚くべきというかいつもの答えが返ってきた。来るはずだったNo.1の人は午前中で終了して、ハノイに帰ってしまったので来ていないと言うことだった。どれだけいいかげんな態度をしているのかとさすがに腹が立った。朝からローカルスタッフは、ほとんど通常業務を止めてお迎えの準備をしていたのだ。

 

 ちなみに彼らは民間企業よりも地位が上なので、応接室に入ったら本来はお父さんの会社が座る側の席が上座側から埋まっていた。これも実にベトナムらしいと感じる瞬間だ。慣れているので下座に座って副社長と会社としての歓迎のあいさつをしたが、その間も彼らの座り方は頑張って偉そうに座っているように見えて、思わず笑いそうになってしまった。

 上座より下座に座っている人の方が座り方が偉そうなのだ。自分を大きく見せようという必死さを感じさせる光景だ。

 

 とりあえずあいさつの後工場見学などをして、1時間ほどで全員帰っていったが、ベトナムの役人は本当に特別扱いなのだと改めて感じる1日だった。

 民間企業に「お邪魔する」のではなく「来てやっている」という態度が彼らの基本なので、もう慣れてしまったが、初めて経験した日本人は「無礼な人達」と思うことだろう。しかしながらベトナム人にとっては当たり前の光景であり、当たり前の行為なのでベトナム人からは、一切不満の声は上がらない。それだけ役人の地位の高さが、国民に認知されているのだと思っている。






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最終更新日  2024.06.25 00:10:13
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