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カテゴリ:離婚
やはりもうダメだと思う。離婚をしたい。
やっと私が元夫に告げられたのは、結婚生活を始めたときから7年、籍を入れて3年、別居を始めてから既に2年余り経過した頃。 告げるまでには、多少経済的な画策もした。 まず、自分名義の貯金は新たに増やさず、非課税枠いっぱいまで、毎年子どもに貯金をした。 夫名義の住宅ローンを繰り上げ返済する必要は皆無なので、あとはいざとなったら売却すればいいや、くらいの考えで、自分にブランド物や時計を購入。 離婚を避けられないと悟った元夫は「親権を当然自分がとれるつもりでいるんだろうが、僕だって黙っていないぞ。そう簡単にはいかないからな。」と半ば脅しのようなことを言ってきたが、それに対しては「闘うつもりなら、自由にどうぞ。子どもたちはまだ小さいから、あなたがどんなに機嫌をとったって子どもの意思で決定はされないし、現実に育児は私がしているのだし、裁判を起こされたって、あなたに勝ち目はないわよ。」と応じた。 それきり、親権のことを元夫が口にすることはなかった。 そうしておいて、新しく仕事先を増やすのをきっかけに、「ここで苗字を戻してしまいたいので、離婚届にサインを」と求めた。 離婚届にサインをさせたら、不受理届を出されないように、その足で即時間外の役所へ提出。 翌朝一番で再度役所へ行き、戸籍謄本をとるからと、作業を急がせた。 自分の姓と親権者の記載は届けだけでいいが、親権をとっても子どもの姓は変更されない。 これとは別に、家庭裁判所へ姓変更の申し立てをしなければならない。 医師免許と保険医登録の書き換えも時間がかかる。 なんとか新しい病院への勤務が始まる前の2週間ほどで、ぎりぎり全ての手続きを終えることが出来た。 しかし、ここから家と養育費を巡る壮絶なバトルが始まった。 私は、実際には慰謝料は要らないが、とにかく家を建築するときに出した費用の全額だけは返して欲しい、養育費は1人5万/月が相場だが、元夫も医者なのだから、1人10万/月を、と要求した。 元夫は、病棟を持たない外来医療だけの、公的な「センター」で働いていた。 その医療機関には当直はない上、公務員という立場なので、バイトはできない。 といっても、自分さえ希望すれば当直のあるような病院に移ることはできる。 今、自分が勤務内容としてそこで働きたいから、そこで仕事をしているだけだった。 「養育費養育費って、当直いくらでもできるんだから、お前のほうが稼げるだろ」元夫が言い出した。 「家だって、僕を追い出して僕の家に3年も住んでおいて、金を返せって言うのか。こっちが家賃を取りたいくらいだ」 「これまではともかく、離婚した以上さっさと家を空けて出て行くべきではないのか」 「実家に戻れない、保育園が困るというのなら、近くに賃貸でも借りればいいだろう」 「父が、離婚しておいてどうしていつまでも居座っているのだ、離婚したら同時に出て行くべき、と言っている」 .....そういう問題なのか。家だって、あなたの子どもが2人、住んできたんですけど。 養育費だって、小さな子ども二人抱えて片方が病気になれば身動きできないのだし、当直をがんがんやるなんて到底無理。 私は家を出てしまったら元夫が自宅に戻り、絶対に自分の払った金額は返らないと分かっていたので、要求が通るまで動かない、と家に居座り続けた。 いくら元夫でも、ヤクザさんを使って自分の子どもに立ち退きを迫るとか、強制退去させるとかは、できないだろう。 そんなこんなで数ヶ月が経過したとき、突然一通の封書が届いた。 何とか言う弁護士が、元夫の代理人になったという連絡。 ネットで調べると、関西地区の超一流大学法学部出身の弁護士。元義父の、同窓のよしみだろう。 しかも、いきなり期日と時刻の指定をして、この時間にその弁護士事務所に来い、という内容。 「どうしたらいいの?これって裁判所でもないのに出向かなきゃいけないの?ほうっておいたら私に不利になるの?自分で対応できるものなの?」 全く分からない。その日から1週間ほど、私はほとんど眠れなかったと思う。 私と付き合いのある友人といえば医者ばかりで弁護士はいない。 とりあえず法学部を出てから医学部に入りなおし、精神科をやっているドクターがいたことを思い出し、書面を見せて訊いてみた。 「こんな一方的な呼び出しには、応ずる法的義務はないよ。でも相手がプロを出してきたら、自分もつけたほうがいいと思うよ。つてはある?」 ...つては全くなかった。 だが、勤務先の顧問弁護士さんから、居住地近くの弁護士さんを紹介してもらうことができた。 初めて訪ねた弁護士さんは、思ったより気さくな雰囲気の先生だった。 とりあえず、着手金として30万と、書類などの発行にかかる手数料実費。 シングルマザーとなり、パートだけで生計を立てる私には、手痛い出費だったが、一通り話を聞いてもらい、「呼び出しは放置していい。とにかく全て私を通して折衝し、自分ではお金の話などを直接する必要はない。」と指示されて、気持ちが軽くなった。 これまで日記に書いたような経緯を文書にして持参したが、読んだ弁護士は驚いていた。 「この元ご主人って、自分が精神科医なんでしょ?それで、こんなことするの?仕事はちゃんとやってるの?これだけのことがあれば、あなたが泣き寝入りする必要なんてないよ。いくらDVの証拠が無いって言ったって、調停に出せば調停員だって読めば嘘じゃないって分かるよ。」 「先に離婚届だけは書かせたの、正解だったね。あなたは極端な話、お金が取れなくても、離婚だけはしたかったでしょ?生活費くらいは、なんとか稼げるだろうから。協議離婚と言っても、協議できてない、という形だけど、お金を要求するなら離婚はしない、と相手は踏ん張ることができないんだから。」 「離婚してからも、財産分与の時効は2年ある。その間に取り返すものを取り返せばいい。本当に賢いやり方だったよ。」 「相手もこういう仕事をしていたら、DVをやっていたことが裁判で公になるのは困るはず。そのへんもつついてみよう」 相手弁護士のいきなりの呼び出しも含め、弁護士さんって、脅したりすかしたり、実は凄い事もするんだな、とこっちも驚いたものだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年12月02日 11時39分41秒
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