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カテゴリ:カラダの病気
母が初めてPETを受けた。
CT上は異常ないが、頚部と肝臓に集積があるため、エコー検査をするそうだ。 肺の原発巣には集積が見られず、化学療法がかなり有効だったという結果を物語っている。 CTでは異常がないのに、エコーをやることの意味、というのは一般の方には判りにくいと思うので、少し判りやすく説明しよう。 でも、どこかの何とか大臣みたいな説明になってはよろしくないが。 CTというのは例えば人間の身体を、1センチ(または5ミリ)おきに輪切りにした画像が、出てくる。 問題となる陰影が、例えば1センチ以上なら必ず写ってくる。 だが1センチ未満の場合、それでも端っこのどこかが引っかかって写ってくる可能性がかなり高いが、時として、断面にうまく出てこないことがありうる。 栗蒸し羊羹を1センチの幅で切った時に、断面に見えていない栗が内部から出てくるのを想像して欲しい。 この内部の栗を、エコーで探すのである。 エコーは、栗羊羹の上からプローブを当てて、それを左右、あるいは前後に振りながら、写るものを探していく。 人間の手で連続的に断面を見ていく作業だから、かなり努力しないと見難い部位もある。 全身をくまなくエコーで探すなどということは出来ない限界もある。 一方でエコーは、一通り臓器を見て画像を記録するだけなら誰でも出来るが、それで検査してもらった気になってはダメ。 埋まった栗を探すなら、まして、ここに栗がないと言い切るには、ターゲットの臓器内をくまなく探せる、上手い医者にやってもらわなくては意味がない。 ...うちの母は、栗蒸し羊羹の説明で、理解した。 脳転移への放射線治療はスムーズにいったようで予定より1日早く退院になった。 1日早まった理由は急に機械の点検が入って、患者さんを前倒し詰め詰めで治療することになったからだが。 エコーが出ないと、安心は出来ないが、とりあえずイレッサも効いているようだ。 PETを受ける前に母にかなりいろいろ訊かれたが、私が学生だった頃の大学に、研修医だった頃の総合病院にはなかったから、画像を写真で見たことがあるという程度しか知らない。 「PETって新しい検査をやりましょう、と先生が言うのだけど、これって怪しいところがあるっていうことなの?」と尋ねる母に、「ああ、病院ってとこは新しい高額な機械を買うとね、早く減価償却しなきゃいけないから、やたらに片っ端から検査予約を入れたがるのよ。」と答える私。 これは、本当。こういうことだけは、よく知っていたりする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年01月30日 22時24分54秒
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