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じゅびあの徒然日記

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2007年02月05日
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当直医という存在は、医療機関に欠かせない。
当直医がいなかったら、入院患者さんをもっている医者はみな、不眠不休で働くことになる。
主治医、あるいは担当医は、予想できる範囲の指示は出しておくものの、当直医に全権を委任して、その間休ませてもらうのだ。

当直医判断(当直帯に、全権を委任された当直医が行なった判断)というのはある意味で、絶対だ。
礼儀として原則、口を挟んではいけない。
もちろん、普段知らない患者さんを相手に少ない情報で対応を迫られるのだから、不足はありうる。
自分が担当する患者さんに、当直医が処方した内容を見て「う~んしょんぼり」と思うことも正直あるが、それでも、「どうもお手数をかけました。ありがとうございました」とだけ言って後からフォローしておくのが礼儀と言うもの。
気に入らなかったら、いちいち自分が出てきてやれ、と言われても、仕方がないからだ。

前回のブログに書いたように、当直の一部を私は無理して引き受けている。
ところが当直医の判断に、上からよく、「けしからん」とクレームがつくのだ。
例えば、昔うちの病院に通院していたが、今は他の病院で治療中の患者さんの家族が、「今●●の状態なんですが、どうしたらいいですか」といきなり電話をかけてくる。
カルテによれば、通院していた頃、時間外対応を何度かしているが、その対応の内容が気に入らなかったと何度か医療費自己負担分を踏み倒している。
訊けば、現在の治療先はクリニックではなく、連絡可能な医療機関。
「現在当院でお答えできることはありませんので、そういったことは現在治療中の医療機関へお問い合わせください」と答えた。
ところが「どうしてすぐに来院すれば診てあげますと言わなかった!?」と翌日当直日誌に付箋をつけられた。

精神科の患者さんの場合、主治医判断、もしくは主治医との治療時契約(インフォームドコンセントとでも言ったほうが通りがいいかな)がないと、しがない当直医では入院させにくいというケースがたくさんある。
統合失調症の患者さんが幻覚妄想状態で大暴れとか、うつ病だと思って治療していた患者さんが実は躁うつ病で、初めての躁転(うつ病相から、躁病相に変わること。こればかりは症状が出ないと分からない)で突然周りを巻き込んで叫んだり笑ったり近所を回ったりしだした、というように、誰が見ても入院、しいうケースはよい。

例えば患者さんは「やはりどうしてもガマンできない、今から入院したい」と時間外になってやってくる。
カルテを見ると、ほぼ同様の訴えが、昼間の主治医診察で記載され、主治医は外来治療継続を指示している。
いくら「やはり」と言われても、同じ状態なのを当直医が主治医の意向を曲げてまで入院させたら、次の日に「お前が自分で診るならいいがどうして入れた」ということになってしまう。
だから基本的には「入院については、明日の朝主治医と相談しましょう」と言わざるをえない。
「こうなったら退院しましょう」という退院時の条件を入れておかないと、帰れなくなる患者さんもある。
そのへんの条件は普段から接している主治医でないと出せないもの。

つまり、よほどの緊急性がないと、当直帯での入院は避けなければならない。
一方で、職員が手薄であらゆる事態に対応しがたいという根本的な要素もある。
ところが、時間外で来院する患者さんにとってはいつでもどこでも自分が「緊急」。
時間外に来院した患者さんに、「いつから辛いのですか」と尋ねると、「一昨日から」。
「主治医の診察日もあったんだから、そういう時は来ましょうね。とりあえず今日はこの薬で一晩休んで、明日朝イチで主治医の外来に来て入院が希望でしたら相談してくださいね」と話すと「3日間もガマンして、これ以上ガマンしろって言うんですか!」と怒り出してしまう。

そういう患者さんやその家族に「じゅびあ医師は当直医対応がなっていない。この病院は救急を謳っているくせに(実際は救急指定ではない)」などと投書なんかされちゃった日には、もう大変。
投書を扱う委員会で吊るし上げ、欠席裁判。本人に事情確認なんて、一切ない。
いきなり病院中に配られた議事録で、知ることになる。

正直精神科医療っていうのはかなり医師によってその内容が違う。
同じ病院の医者でも、全く考え方、処方傾向が違うということがあるから、自分が主治医でない患者さんに、積極的に手を出すというのはしにくいのだ。
他の医師の処方を見ても、何をしたいのか、何をしてるのか全く分からない(泣)という処方もある。
「これをのんで調子が悪い」と言われても、本人しか手のつけようがない処方っていくらもある。

自分の患者さんはコントロールのいい人が多いので、時間外にいきなり受診したり、入院したい、とおっしゃったりすることはほとんどない。
自分の患者さんからは苦情を言われることもない。
結局当直医対応を迫られるのは、ほとんどが自分主治医でない患者さん。
常日頃のコントロールと、患者さんへの啓蒙がなってないだけじゃないか、と思う。
とにかく現状を維持する方向で決着しようとするのだが、深夜に入院したいと来たのに入院させてもらえなかったと投書され、上からクレームをつけられ、委員会で吊るし上げられ、では当直をやった者損というもの。
やらなければ、誰にも何も言われようがないのだ。
結局、仕事をしていない医者、仕事を頼まれると不機嫌になる医者は(看護師たちも、怖れて仕事を頼まなくなるのだ)、何も言われようがない。
仕事を頼まれて二つ返事で出向き、フットワーク軽く仕事をしている人間が、その対応のちょっとした端を突かれて、「けしからん」と言われる。
このままでは、当直を引き受ける医者が誰もいなくなってしまうが、病院はそれでいいと思っているのだろうか。





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最終更新日  2007年02月05日 23時09分54秒
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