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じゅびあの徒然日記

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2007年05月05日
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カテゴリ:旅行
GWは、母を連れて憧れの加賀屋さんへ行こう!
随分早くからネットで予約を取ってあった。
ところが、忘れずに列車のきっぷを確保しなければ、と思っていた3月25日、能登半島地震が起きた。
加賀屋さんのある七尾市は震度6強の揺れだったと言う。
一番、ひどかったところだ。

さて、どうしよう、と思った。
心配性の母は、怖くてとても行けない、と言い出すに決まっていた。
とりあえず、子どもたちには「今日、加賀屋さんのあたりで、とても大きな地震があったの。営業が出来るかどうかも分からないし、土砂崩れで電車が走らないかもしれない。何より大きな余震が続くかもしれないし、被害がひどければ1ヶ月後にはまだ観光どころではないかもしれない。その時には、楽しみにしていた旅行だけど、中止するからね」と伝えた。
母には「まだ詳しい被害の状況も分からないし、1ヶ月以上先のことでしょう?だから、慌てず様子を見ようよ。」と言っておいた。
加賀屋さん、すなわち和倉温泉が最も揺れのひどかった場所のひとつ、七尾市内であることは母には内緒にしておいた。
そして予定通り、特急券は押さえた。

私自身も、正直かなり迷った。大きい地震は怖い。
でも、最終的には日本国内を旅行する限り、どこにいても地震の可能性はある。
まして、温泉というのは、地震活動のあるような場所に湧くもの。
地震がイヤなら、香港とか、オーストラリアへ出かけるべきだ。
GWに出かけている間に、自宅のある場所こそが地震に見舞われる可能性だって十分ある。

ネットでマメにチェックしていると、加賀屋さんのホームページでは最初一瞬4月に営業再開と掲載されたが、その後4月20日までの予約が全て止められ、さらにその後25日までの予約が止められた。
思いのほか被害が酷かったようだった。
加賀屋では外壁や配管の補修に、15億円ほどの費用をかけるとある新聞に出た。
GWの行き先は変更すべきか...と迷いだした頃、4月28日営業再開、と掲載された。

GW、能登方面の観光客はその9割がキャンセルしたという。
多くの観光客が流れた先は、白浜や紀伊勝浦といった三重~南紀方面。どこも満員らしい。
三重や和歌山なら地震が起こらない、というものでもあるまい、と思った。
かえって大きな地震があって一段落した後なら、それ以上に大きい地震が来る可能性は低いんじゃないか、と勝手な論理を展開してみた。
能登は普段より空いていてのんびりできるチャンスかもしれない。
加賀屋さんが、GWに間に合わせて頑張って立ち上がり、営業を再開したのなら、行ってエールを送るのも、いい。

そんなことを思っているうちに、亀山でも地震が起きた。
やはり、日本はどこにいても地震が起きる。
前に東京に行くときも、前日に地震が来て山手線が何時間も止まったんだっけ。
考えても、しょうがないや。

当日いざ、特急に乗ってみると、指定席は満席。だが大半が金沢で降りた。
和倉温泉駅で、加賀屋さんの送迎バスに乗り込んだ客は私たちを含めて6~7組ほど。
やはりちょっと寂しい。

それでも夜の催しの頃になるとかなり沢山の客が集まってきていた。
温泉か濁ったりしていないかな、と思ったが、飲料用の温泉も見た目には無色透明。
コーナーサッシから見える七尾湾の夕日も、赤西貝や鮑を含む新鮮な魚介も堪能。
ル・ミュゼ・ド・アッシュのパティスリーも行列しないと買えない状態。

だが、加賀屋さんを一歩出ると、あちこちに地震の爪あとが残されていた。
付近の土産物屋は閑散とし、開店休業状態。
温泉街なのに浴衣姿で外を歩いている人がほとんどいない(私たちだけだった)。
お寿司屋さんの通りは建物の基礎が浮き上がり、公道の間に段差が出来ている。
配管が盛り上がって、割れたタイルの間から突き出ている。
軒が波打った、古い民家。
車道のアスファルト面に走る、地割れの痕跡。

改めて加賀屋さんのショップに並ぶ、高価な陶器や輪島塗を眺める。
部屋係の仲居さんに「随分高価なものも倒れたりして、壊れちゃったんですよね」と話しかけた。
「今まで感じたことのないような凄い揺れで、怖かったですよ。私はエレベータに閉じ込められたんです。じきに救出されましたけど...。上の階はやはり被害がひどかったですね。」

加賀屋さんのような、日本一有名な一流旅館ですらも、風評被害に苦しんでいると言う。
もっと被害のひどかった輪島方面には、子どもや母を連れていたこともあって向かわなかったけれど、頑張っている能登を、蔭ながら応援しています。





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最終更新日  2007年05月05日 22時17分32秒
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