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じゅびあの徒然日記

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2007年09月25日
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いよいよ、新しい勤務先での仕事が始まる。
今までも、何回か転勤は経験してきたが、そのたびにぶつからなければならない壁がある。

...私は、患者さんの顔を覚えるのが、苦手なのだ。
患者さんの、というよりも人間の「顔」が、ほとんど覚えられない。

名前は、覚えられる。
その患者さんの、症状の特徴、話の内容、今の問題点なんかは、すぐに頭に入る。
昔、病院でトラブルを起こして治療を中止していった患者さん、もしくはそのご家族が、何年も経ってから突然、何事も無かったように受診したり電話をかけてきたり、ということはよくあるが、自分が主治医でない患者さんでも名前を聞いただけで、すぐに頭の中の注意信号が点灯する。
急いで端末を叩けば、たいていビンゴ!だ。
前の職場でも、随分他の先生や、看護師たちを驚かせたものだ。

だが、顔だけが、結びついていかない。
勤務先を変えるとたいてい、その病院の慢性期の統合失調症の患者さんを数十人、新規に引き受けることになる。
病棟はいくつかに分かれているから、ひとつの病棟で数人~10人前後まで。
最初の一通りの診察で、何とか覚えようとするのだが、年齢や背格好の近い男性もしくは女性が複数いたりするともうアウトだ。
改めて分析してみると、あとは体格、話し声の特徴、話す内容の偏り方(例えば、決まって眠れないと訴える)などでどうにか記憶に収めているらしい。
なので、こちらも策を講じて、看護師さんに一度に全員を呼ばせず、こちらから指名して、区別のつく数名ずつ、診察室に呼んでもらうのだ(笑)。

外を歩いていて、患者さんに呼び止められたとする。
その患者さんが、自分の担当する患者さんのうちの、誰かなのは判る(知っているか知っていないかの判断はつく)。
だが、まず顔だけで名前を呼び起こすのは、無理。
まして、以前診ていた患者さんが元気になって、外で偶然出遭って声を掛けてくれた場合など完全に「誰だっけ?」だ。
患者さん自身も、診療していた頃とあまりにもイメージが違う。
顔でなくて、話し方や態度が私にとっての記憶の「符号」なので、よくなってしまった患者さん(終診以降、さらによくなっているわけで...)は分からなくなってしまう。

外来患者さんの場合、カルテの内容をちらっと見ればすぐに前回の診察が思い出せてしまうけれど、顔は患者さんが診察室に入って来るまで思い出していない、と思ってもらってよい。

患者さんについては、それでもかなり「顔以外の特徴」で努力を重ねて記憶している。
だが、とっても顔を覚えられなくて困る場合がいくつかある。

いつも困っているのが、保育園や学校の、父兄の皆さんの顔。
だから、ああいう場が苦痛。絶えず緊張を強いられるのだ。
何故か、私はすぐに周りの人から覚えられるらしい(と私は一方的に感じてしまう)ので、すぐに「じゅびあ(の苗字)さん」と声を掛けられる。
だがほとんどの場合、私は相手の方が、誰のお母さんなのか、分からない。
「誰の」の部分すら、分からない。
子どもを連れて、そちらのおうちに遊びに行ったことのあるお母さんくらいしか、覚えられない。
私は嘘がつけず、声を掛けられてきょとんとしてしまうことが多いので、何度も「○○です」と名乗られてしまう。
今年になってからすでに同じお母さんに、4回、名乗られている...。
でも、今そのお母さんの顔はやはり思い出せず、バザーで片っ端から「あなたが○○さんですか?」と尋ねて回らなきゃいけないんじゃないかと心配になるほどだ。

ご近所の方の顔も、残念ながら覚えていない。
朝など、よく出会うから、挨拶はする。
お互い顔は知っている。
だが私にとって近所の方は、近所の家から出てくる(もしくは家の前にいる)から近所の方なのであって、例えばスーパーなどで出くわしても、ほとんど分からない。
一緒に歩いている母に「ちょっとあんた、向かいの××さんなのに、知らん顔して」といつも怒られ、言われて見れば分かるけれど、相手の顔に注意が向くということ自体がないのだ。
そんなわけで、私は男性に関してもメンクイではない。
声の調子とか、話の内容とかのほうが、私にとっては大きな要素を占めるようだ。

ああ、新しい職場に移ると、そこに来ている先生の顔も、全員覚えなきゃいけないんだ...。
常勤で毎日ほぼ会う先生の顔は、自然に覚えられるけど、非常勤で週1~2日、なんて先生が沢山いるところは、マジでヤバイ...。
前の病院で診ていた患者さんが来てくれた時が、一番ホッとできるかも(笑)。





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最終更新日  2007年09月25日 22時21分17秒
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