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じゅびあの徒然日記

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2008年04月15日
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強迫症状と一口に言うが、これまでいろんな「強迫」を診てきた。

ズボンやスカートのファスナーを閉めたか、トイレの水を流したか確認し続けた受付嬢。
書類が間違っていないか何度も確認するために、仕事が進まず左遷された会社員。
バナナをお箸でつまんで食べていた小学生。
夜中でも水をザーザー流して、あかぎれになるのも構わず手を洗い続けていた女の子。
ごみ箱に何かを捨てると、そのたびに自分が捨てたものは間違っていないかひっくり返して確認していた高校生。
床に落ちたボールが服に触れたと言って、全身着替えていた少年。
病棟の個室トイレでも使えないと、妻にサイズの合うトイレカバーを手作りさせ、手の触れる範囲をすべてカバーで覆っていた夫。
お風呂に入るには、順番通り洗わなくてはならず、時間もかかって大変でできない、と1ヶ月に一度しか入浴しない妻。
車を運転していて段差のたびに「人を轢いたのではないか」と路肩に車を停めて一周回っていた母親。
会社の書類を服に挟んで持って帰ってきてしまったのではないかと何回も帰り道と干した洗濯物を確認していた秘書のねーさん。
トイレや浴室のドアを開けては、自分が殺した死体が倒れているのではないかと見て回り、診察のたびに私を殺していないか確認していた青年。

神経症圏の強迫というのは度を過ぎているとはいえ、健康な人にもある程度理解できるもの。
...あなたなら、どこに了解可能、了解不可能の線を引くだろう。
どこからが思考障害を含み、どこからが病的体験を含むだろう。
一番下のケースくらいになると素人さんでも「これはちょっと...」と思うに違いない。

これらの判断は、精神科医でも難しい。
私が「これは精神病圏」と判断したケースで、家族が「強迫神経症の治療をしない」と怒鳴りこんできてそのまま退院させてしまうケースもあった。
往々にして前医が強迫神経症の診断をしていて、その治療を続けてきたケースだ。
実際、幻聴の存在がはっきりしないのに統合失調症という診断がなぜついたのか、と平気で言ってしまう精神科医が、残念だが少なからずいる。
奇妙か、奇妙でないか、その感覚が診断にはすごく大事なのだ。





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最終更新日  2008年04月15日 22時52分14秒
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