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カテゴリ:カラダの病気
今の病院に赴任した時、とても驚いたのは、「下剤でコントロール不能な便秘のある入院患者さんが多すぎる」ということだった。
一般的に抗精神病薬は抗コリン作用があるので、口渇や便秘、おしっこが出にくい尿閉なんかがただでさえ起きやすいのだが、これまで勤めてきた他の病院に比べて今の病院には、「同程度の薬剤を使っていても何故か排便コントロールが難しい」入院患者さんが多かった。 精神症状のコントロールがイマイチだった患者さんの数名にちょっと処方変更をした途端に、2名がイレウス(腸閉塞)を起こした。 酸化マグネシウム3gにプルゼニド4錠、大建中湯6g、さらに水薬の下剤を毎日40滴使っても排便が確保できずに浣腸指示が要るってどういうことだろう、と思っていた。 別の主治医の患者さんでは、酸化マグネシウムの使い過ぎで高マグネシウム血症を起こした人が出た、という話も聞いた。 外来患者さんでは、このようなことはない。 もちろん外来患者さんより入院患者さんの方が、処方量が多い傾向があることを考慮に入れても、ひどすぎた。 私は、「これは食事に問題があるのではないか」と感じていた。 病院側も気づいたようで、最近は「食物繊維パウダー」を食事に添加するようになった。 その結果、毎日下剤液20~40滴使用していた患者さんたちが、0~10滴くらいで足りるようになったのである。 患者さん用の食事には、食物繊維が添加されたが、職員用の食事は以前のままである。 そして、やはり食事が問題であることを、私は身をもって知ることとなった。 汚い話で申し訳ないが、私は生まれてこの方ほとんど便秘をしたことがない。 上部消化管撮影をしても、下剤をのむ前に違和感なくバリウムが出てしまうほどだ。 そんな私が、今の病院で連直(二晩以上の当直)をすると、トイレの水が真っ赤に染まるほどの大出血をしてしまう。 当直が終わっても数日間、毎日トイレで決していきまないよう悩み、さらにうつぶせ寝をしなければならないので不眠に悩むのだ。 1週間以内に自然と止血し、普通に生活できる。 3回くらいそんなことが続いてやっと、当直時の食事が問題、と気づいた。 連直のたびにQOL(Quality of Life)が下がるってどういうことだ。 当直が怖い。 今の院長はなぜか病院の給食をこよなく愛する人で、お弁当を持ち込んだり、売店で買ったものを食べていたりすると、不機嫌さを隠そうとしない。 「給食をご用意してありますから、召し上がってください。先生たちの権利ですから。」 できるだけこっそり食品を持ち込むしかないが、連直時は2日目まで賄えない。 せめて患者さんと同じレベルの食事を、職員にも用意してほしい....。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年08月22日 22時36分13秒
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