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カテゴリ:プシコ(精神疾患)な毎日
大体このシーズンに病院である行事といえば「夏or秋祭り」「運動会」「バザー」「カラオケ大会」である。
そんでもって、私は何故かカラオケ大会の審査委員長に抜擢されることが多い。 これがとても憂鬱なのである。 カラオケ大会では、各病棟やデイケアの患者さんから、平等に(同人数の)参加者が出る。 別に予選があるわけではない。 立候補制、早い者勝ちである。 好きこそものの上手なれ、というが、確かに上手い人はいて、そういう人はカラオケが好きなので(上手いけど、嫌いと言う人はあまりいない?)、やっぱりすぐに立候補してくる。 各病棟、一番目二番目に上手いような患者さんが、確かに出場する。 しかし、何と言うか、正直上手い人ばかりではないのである。 ちょっと聞くに堪えない...とっても凄い人もいるのである。 聞くに堪えないのはいいのだが、カラオケ大会の審査員の辛いところは、そういうケースであっても、とにかくいいところを見つけて、褒めなくてはいけないことである。 前の病院の某事務長はいきなりリアルな辛口コメントをつけていたが、あんなのはいけない。 ちょっとこれはヤバい...という場合に、褒めるポイントがいくつかあって、声の大きさ、ノリ、堂々とした態度、何故か気合いの入った衣裳、高齢だけどお元気、などである。 しかし、一通り使うと、どうしたって、出尽くす(泣)。 それまでの人に使っていないパターンで褒め続けようとするのだが、厳しい。 去年のカラオケ大会で、私がどういうコメントをしたか覚えている人がいないことを祈りながらやっている。 審査員だから、一応採点もする。 私は5~6人のうちの1人だから、1/5~1/6の影響力しかないのだが、私が受け持つ長期入院中の患者さんでおひとり、大変カラオケの上手な方がいた。 これは、誰が聞いても上手いのだ(少なくとも患者さんたちの中では)。 好きだから当然毎年出場するし、彼が歌えばもう一人舞台なのである。 ところが彼が優勝すると、他の「我こそは」と思っている患者さんから苦情が出されるのである。 「じゅびあ先生が、自分の患者さんをひいきしたから、僕が優勝できなかった。」 そんなこと言われても審査は厳正に行なっているのだ! 大体最後には、審査員代表特別出演で歌わされるのも恒例である。 曲はいつもその場で決める。 病院のカラオケが古かったりするので、最新の曲ではない。 一部最新のカラオケが導入されることもあるが、若い入院患者さんたちが曲を取りあうので、そういうのは外して、なおかつその日誰も歌わなかった曲を選ばなくてはならない。 あんまり暗くなくて、ノリがよく、妄想と結びつきにくそうな無難な曲を選ぶので、「TOMMOROW」とか、「My Revolution」とか、「ロマンスの神様」とか、「DIAMONDS」とかになる(世代が....)。 なのに、マイクに向かって私が第一声を発すると、患者さんがシーンとしてドン引きするのである。 私は声がでかくてよく通るうえ、歌詞の発音がクリアで聞き取りやすい。 聴音やソルフェージュ、合唱団経験も長い(絶対音感の話を以前に書いている)ので、結構一般の中でもカラオケは上手いと言われる方だ。 ちょっとしたバンドのボーカルみたいで、患者さんたちとレベルが違いすぎるから、本気で歌うな、と言われてしまうのだが、こういうのを手加減するのはとても難しい。 もちろん、最後には一瞬の沈黙のあと、大変な拍手を頂き、特別賞になってしまうのだが、これはこれで心苦しい....。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年09月26日 23時22分18秒
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