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カテゴリ:カラダの病気
週末温泉に浸かってきました。
今やってる昼ドラのロケ地にもなってる、いつものところです。 なかなか厳しいです。 母と旅行に行くのはこれが最後になるかもしれないです。 ここのところ仕事の方も忙しくて更新が滞っていました。 うちの病院は、地域の中ではとても薄給で、下手をすると倍、という他の病院もないわけではありません(この前書きました)。 ところが今後は、救急を率先してやる、というような話が出てきました。 救急をやってなかったと言っても、これまでも当院受診中の患者さんについては、夜間の緊急時の診察、入院を受けてきました。 一般的な救急、というのは、まったくの新規の患者さんでも受ける、ということです。 うちの病院は総合病院ではありませんので、夜間は検査技師も、X線技師もいません。 つまり、精神症状を訴えてきた患者さんが、脳内出血だったり、肝性昏睡だったりしても、臨床症状だけで判断しなければなりません。 普段診ていない、信頼関係もできていない患者さんやその家族を相手に訴訟になった時、どういったバックアップを病院としてしてくれるのか、という体制もできていません。 普段いらしている患者さんなら訴訟になってもいい、誤診してもいいということではありませんが、明らかに新規の患者さんの方が、何が起こるか想像のつかない要素が多いのです。 事務当直がたまたま重なってない限り、時間外は薬剤師もいません。 医事課もいませんから会計も止まっています。 給与条件も含めて、今のまま救急をやる、ということになると、誰も黙っていません。 今は当直を積極的にやりたい先生も多いので、私は比較的当直を少なくすることが出来てます。 しかし、救急をやれ、ということになると、「みんなやりたくないから、全員平等」ということになるのは、目に見えています。 夜間救急の看板を掲げて寝ずの当直をしたとして、翌日は休むことができません。 有給利用は認められていないので、決められた曜日と年末年始以外で休日をとれるのは年に4日しかありません(夏休みを薄めて使う形です)。 学会へ行くことだけは、出勤日の代わりと認められますが、私のような家庭状況ではがんがん学会出張をうつことなんてできません。 指定医でない先生が当直の日に新規の救急患者さんがやって来たら、他の指定医は住居が遠いので、片っ端から私が呼ばれることになります。 ...さすがに、それでは生活できません。 今までも親子遠足とか、雨天順延になった運動会なんかは、参加できませんでした。 参観会や懇談会も2回に1回です。 学校行事では半日単位で病棟勤務を休むのですが、必ずその月のうちに振り替えで埋め合わせをします。 外来の場合は当然、学校行事より優先しています。 1日単位で使ってしまうと、もう借金は返済できなくなってしまいます。 今の病院はいくつか素晴らしいな、と思っている点もあるので、金額だけではないから、と勤務を続けてきました。 でも、この上に救急導入、ということになってしまうと、私と子どもの生活が破綻します。 しかも、母の病状が思わしくありません。 肺の方は問題ないようですが、ここへ来て多分、脳の症状が着実に進んできています。 今年の春にも、一時そんな兆候がありました。 ステロイドで脳浮腫を抑えてもらって、少し持ち直したのですが、何をしゃべっても被害的に捉えるので、子どもの前でもとんでもない喧嘩になります。 イレッサの副作用で、足の爪が炎症を起こしているので、あまり歩けません。 今回の旅行も、歩けないので観光はせず、御馳走を食べて、温泉に入って、のんびり過ごせばいいと思っていたのですが、「何もしないでいろと言われても、いようがない」と怒るようになってしまいました。 出かけなくても子どもはインターネットでゲームなどをして、それなりに楽しんでくれるのですが、「家ではテレビばかり見ているくせに。ゲームをしていてテレビが見られない」と怒ります。 子どもにゲームを止めさせて、母に好きなテレビを見るよう勧めると「そんなこと言われても、今何をやっているか分からない」と言い、テレビの番組表を渡すと今度は、テレビの前に座るのはきついと言って、テレビの見えない部屋の椅子に座ったまま動きません。 「いつもはあんたたちが見ているテレビを適当に一緒に見ているのだ」と言うので、子どもが適当な番組をつけて、「図書室へ行ってくる!」と出て行ってしまいました。 そうすると、「いつもは止めろと言ってもずっとテレビを見て動かないくせに」と怒ってしまいます。 しまいには、「年末年始の旅行はあんたたちだけだから、楽しめていいわね」とひがみ出す始末。 冬場は風邪やインフルエンザが怖いから人ごみには出ない、と母がここ数年自分で決めていることで、誘っても絶対に行かないんですけどね。 足腰も弱ってしまって、ちょっとした段差が上がれなかったり、ゆっくりしか歩けないのを、「旅館の人は、どう思って見ているのかしら?こんなヨボヨボしたばーさんが来て、と思っているんじゃないかしら?みっともなくてもうあんたたちと出かけるのは無理だわ。」と決まって言います。 トイレがかなり近くて失敗もあるのですが、尿漏れパットやリハビリパンツは嫌がって使いません。 なんと、生理用ナプキン(当然高価な夜用)しか使わないんです。 それでも移動中は早めにトイレへ寄るとか、食事に寄った店では尿意がなくても必ず最初と最後の2回トイレへ行くよう勧めたりして、工夫をして出かけています。 和式トイレしかないところでも、洋式トイレのあるところを探す余裕がないので、そのまま飛び込むことになります。 和式で一度しゃがむと、床に手をつかないと立てなくなってしまうので、私が中へ飛び込んで立ち上がるのを手伝います。 母を立ち上がらせるには、私が母の前に回って抱え上げるのですが、便器と水洗のタンク、壁との間にそれほど隙間がないのです。 もっと母の重心を前へ移せればいいですが、無理やり真上に引き上げようとしますので、なかなか持ち上がりません。 母は腰を痛めた、とブーブー言いますが、本当は私もギックリ腰寸前、ちょっときてます。 夜中も4回くらいトイレへ行くのですが、朝の4時半くらいに私とトイレでかち合うと大変です。 何とかもう一度寝ようとしている私に、ずーっと話しかけてきます。 長距離運転もあるし、温泉旅館でくらいゆっくり寝ようとしている私に、「部屋に時計がなくて、何時だか分からない」と時刻を訊くために何度も起こします。 せめて温泉に浸かっている間だけでも、と思っていると、「もう少しでトイレットペーパーがなくなる!これでは朝みんな足りなくなるわよ!」と母が大騒ぎを始めたので、裸のままで飛び出して、どっちがペーパーを調達しに行くかでもめる子どもを「いいから、二人ともすぐ行きなさい!」と叱り飛ばしました。 母は、ウォッシュレットのあるトイレでも、汚れがつかなくなるまでペーパーで拭いて、温水で洗って、さらに湿り気が完全になくなるまで拭くので、家でもものすごいスピードでペーパーが減ります。 昼間は母一人しか家にいないわけですが、恥ずかしながら消費量が1日1ロールではありません。 それは普通の使い方ではないよ、と言うのですが、「そのまま洗ったら、汚れが飛び散るから、そうやって使うのが普通。あんたがおかしい」と言って譲りません。 休日のたびに子どもを連れて、持てるだけ、持たせられるだけのペーパーを買ってストックしています。 しかも、足が痛くてスペアのペーパーを戸棚から出せない、まして夜使う2階のトイレに運ぶことはできない、と言うので、絶対にホルダーから欠かさないように毎日注意を払っています。 夜中にもし2階のトイレットペーパーを切らして、下へ取りに行かせてしまおうものなら、翌朝出勤前にひとしきり、「足が痛いのに下のトイレまで行くのがどれだけ大変だったか」「そのために下着を汚してしまって着替えをしなければならなくなったこと」「さらにあんたたちのためにいくつペーパーを上まで運んだか」という話を聞かなくてはならないのです。 トイレットペーパーがなくなる、ということは母にはものすごい恐怖のようです。 患者さんの中に、ちり紙が大好きで集めている人は多くいますが、あれと同じ感覚なのかな、とも思います。 旅行に行くと、部屋のトイレに置いてあるペーパー(たいていスペアもう1個くらいはあるのですが)では足りないことがほとんどです。 母だけでいつも1日1ロール以上なので、4人でとてもとても、1泊2日2ロールでは無理です。 1度くらいは宿の人に追加を頼みますが、それ以上は恥ずかしくて言えず、まして夜中には頼めず、人目を忍んで共用トイレからパクって来る怪しい客です...(もちろん、滞在中に部屋で使う分だけですよ!)。 たえずトイレットペーパーの残量に気を配るだけでも、消耗します。 私もここんところ、体力的、気力的にしんどくて、患者さんの前で笑顔でいるのがやっと、というところがあります。 もともと気管支は弱い方ですが、ここのところ喉の炎症を繰り返していて、診察で喋るのも辛いし、夜もせき込んでなかなか寝付けないほど。 こんな中で救急が増えたら、さらに当直が増えたら、いくら私でも無理です。 今でも当直をすると、帰宅してすぐ、「子どもがいかにおばあちゃんの言うことを聞かなかったか」という話を2日分聞くことから、始まります。 それがとても憂鬱で、この間ついに、子どもに「当直をすると、その後帰った時を思って本当に辛い。もう少しばあばの言うことをちゃんと聞いてくれないと、私は仕事を続けられない。」という話をしました。 その話を聞きつけた母が「それじゃあずっと病院にいて、帰って来なければいいじゃないの!あんたは病院にだったらいくらでもいられるんでしょう!」と言いだし、私が当直の荷物をまとめ直して家を出る直前まで行きました。 とても病院にはいられないので(行けば次々やることありすぎ...)、暫くホテルにでも泊まろうと思いました。 子どもたちは「悪いのはお母さんじゃないよ。僕らが悪いんだ。」と大泣きしました。 「病院に長くいたい」なんて全く思ってないし、そんなことは言ってないんですけど、母はそんな風に「被害的に」物事を捉えてしまいます。 母は旅館ではあんなだったのに、帰りの車の中ではやたらに機嫌よく、運転の邪魔になるほど喋りっぱなしです。 旅館ではあんなに眠くなくて、休めと言われてもすることがないだの言って、朝早くから起きてガサガサやっていたのに、帰ってくると荷物を広げることもせず、テレビをつけて眠くなったとソファでうとうとし、突然目を覚まして唐突に「この女優さん、きれいねえ」なんて話しかけてきます。 返事をする気力もなくて黙っていると、今度は「お母さんにはみんな怒られてばかりだから」と言い出しました...。 まさにリアルタイムで、たった今、です。 明日の予約オーバーの外来を、どうやってやろうかな....。 こういう時は早く出勤して、外来開始時刻を早くして待ち時間を短くするのですが、今日のうちから「足が痛いので残らずゴミを出していくように」と念を押されています。 明日までに乾かなきゃいけない洗濯をしながら、ブログ書いてます....。 せめて温泉旅行中くらいは、現実を忘れて過ごしたかったなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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