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変な外人の日常

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2006年10月10日
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テーマ:徒然日記(23485)
カテゴリ:つれづれ
 今、大学に入学してくる生徒達は、いわゆる「ゆとり教育」を小学校1年生から受けていた世代です。彼らの学力の低さと、言動の稚拙さは目を覆うものがあると言われます。できないし、やらない。注意されると脊髄反射的に逆ギレし、状況が悪くなると親に頼る。親も子供を盲目的にかばい教師や他者を攻撃する。このような最悪ともいえる教育を受けた生徒が珍しくないのがこの世代の特徴なんだそうです。
 とにかく、他人をけなし、貶める事になんの罪悪感も感じていないので、教師の側も大変です。男性教師が授業中に女子生徒と目が合おうものなら「キモい」んだそうです。詰め込み過ぎの教育方針を是正し、じっくり考える力を養うはずのゆとり教育は、より一層、頭を使わない子供の大量生産を行ってしまいました。

 「子供は叱ってはいけない」という教育論ぶった暴論がまかり通ったのも、このゆとり教育時代でした。叱ることで可能性を奪うというのが主旨だったはずですが、どんな分野でも、どんなに才能豊かな子供でも、大小、様々な壁が待ち受けています。それを乗り越えるためには、一つの方法として「褒める」事は重要です。しかし、それ以上に重要なのは「叱咤」すること。普通の子供は褒められれば「こんなもんでいいんだ」と考えるわけで、次からは能力を伸ばす事よりも、楽に褒められる方法を選びます。で、親が「叱らない」と分かってしまえば、何にもしなくなる。当たり前の事。努力した経験が無いから精神が弱い。精神が弱い人間は体力も鍛えられません。こうして出た結果が、過去最低の運動能力。特に、持久走のタイムは悲惨としか言いようがありません。

 しかし、だからこそ「天才」を生み出す可能性の高い世代でもあると思います。たとえば、団塊ジュニア世代なら、多少勉強が出来ても他にもっと成績の良い生徒は山ほどいるので、本当に頭が良い生徒であっても、特別扱いはされません。エリート集団に埋もれてしまい、突出した存在とはなりにくいのです。しかし、現在はこんな状況だからこそ、「自分にはこれができるんだ」というものを見つけ、そのための努力を惜しまない生徒は容易に目立つ存在となる為、成功しやすいと考えます。
 問題は、そうした目立つ生徒に対して「羨望」よりも「妬み」の方が強い、他の生徒達の反応のこと。自分に自信のあるものが一つでもあれば、他人を妬む必要などないのですが、自分では何にもしないから、他人も成功して欲しくないわけです。優秀な生徒に感化されて、クラス全体の士気が高まるなんてことは、あり得ないと考えるべきです。残念ながら、優秀な生徒のセグリゲーションは進めるべきなのかもしれません。

 教育者でも親でもない、我々のような人間は、無関係だと考えがちですが、彼らは確実に社会に出て、社会を支える仕事に就くわけです。社会は、中心に優秀な人材がいれば問題なく回るというものではありません。末端で働く人たちの教育水準が低ければ、簡単に崩壊するのです。就職せずとも、車には乗るわけです。考えただけで恐ろしくなります。


 今後10年。恐らく、日本人は自分達の社会が崩壊していく様を目撃する事になるでしょう。私は、いろんなものをそぎ落とし、何があっても傍観者であることを決めた逃亡者です。しかし、かなうのであれば杞憂であってほしいとも思っています。唯一いえることは、何が起こったとしても、それは、我々全ての日本人の責任だという事。一部の政治家や官僚が悪いと、責任を誰かに押し付けることはできません。だって、根幹にあるのは「子育て」なんですから。
 これからの10年。精一杯、覚悟を決めて生きていきましょう。





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最終更新日  2006年10月10日 10時57分45秒
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