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2022年01月06日
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カテゴリ:陽明学
 
 一 心友問う。易経において、程子は理〔ことわり〕を主として伝をし、
朱子は卜筮〔ぼくぜい〕を主として本義をせり。
陽明〔ようめい〕子〔し〕云〔いわ〕く、卜筮は是〔これ〕理也。
理も又〔また〕是〔これ〕卜筮也。
卜筮は疑を決し吾心を神明にすることを求むるなりと。
まことに発明(新解釈)なりといえども、いまだよく心よく落着〔らくちゃく〕せず。
 
 云う。易に無卜〔むぼく〕の卜〔ぼく〕・無筮〔むぜい〕の筮〔ぜい〕あり。
卜筮を用うるは末〔すえ〕也。
礼・楽に玉帛〔ぎょくはく〕・鐘鼓〔しょうこ〕の有るがごとし。
故に、卜筮を主としていえば、卜筮にあらずということなし。
理を主としていえば、天下の理、易にもれたることなし。
《初九は、潜竜なり、用うることなかれ》(初九、潜竜、勿用。)
君子、潜竜の時に当りては、よく其の才知をかくして
ひとり其の身をよくし、徳を養うべし。
此〔かく〕の如くするときは吉なり。これに反する時は凶なり。
これ卜筮を用いずして占〔せん〕明らかなり。
他〔ほか〕皆これにならうべし。無筮の筮にあらずや。
理を以て占い考〔かんが〕うるに、
たがう(違う)事なきことは、筮〔ぜい〕を用うるに及ばず。
ただ事のうたがわしきと、時の変〔へん〕に至りては、
常理のいまだあらわれざる事あり。
ここにおいて卜筮を用いて天に問うなり。これ又理也。
神明は不測なれども、神明、理にたがうことなし。
故に理の必然なる事には卜筮を用いず。





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Last updated  2022年01月14日 21時19分03秒



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