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2022年04月28日
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カテゴリ:陽明学
 
 一 学友問う。天は其の理〔ことわり〕に応じて無心なり。
聖人は其の心万事に順〔じゅん〕にして無情也。
無心無情はよきにとれり。
しかるに、歌をよむ時、心あるというはよく、心なしというはあしきは、いかが。
 
 云う。歌に心あるというは、なさけ有りというたぐい(類)にて仁愛あり、
物に心得て平人ならざるをいう成るべし。
心なきというは、何もしらぬ賤男〔しづのお〕賤女〔しづのめ〕に同じき者にて、
なさけなき人という義〔ぎ〕成るべし。
聖人に無情といえるも、情なきにはあらず。
天地の四時の色のごとく、理に和して気のうごきなきをいうなり。
無心と云うも至公にして私心なきの義なり。
 
 
 
 
 一 或るひと問う。本体は空々〔くうくう〕寂々〔じゃくじゃく〕たり、
感あるべからず。わづかに感ずるは是〔これ〕気也。
惻隠の心も赤子の井〔い〕に入〔い〕るなどを見て発す。
物の感ずることあれば応ずる也。
感応は陰陽なり、理〔ことわり〕というべからず。
仁義礼知共に気の霊覚也。
本然は陰陽感応をはなれたるものにはあらずや。
 
 云う。本体の理は、応ぜざれども時ありて感ず。
太虚無一物の時、何者か来たりて感応すべきや。
本理の無声〔ぶせい〕無臭〔ぶしゅう〕は寂感也。
ひとり感ぜずには、天地も何よりてかひらくべきや。
感の聞くべく云うべきは気也。
本体の感は、見るべからず、聞くべからず、その跡によっていうのみ。
わづかに感応をいえば、本体にあらず。
天下の故〔こと〕に通ずる所に付きて、其の本〔もと〕を知るのみ。
故に感と云う。気にわたりたる所を以ていえるは、あやまり也。
又〔また〕本体に感なきと見るも、本体を知らざる也。
至神は神ならず。





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Last updated  2022年04月29日 22時08分53秒



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