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テーマ:日本的なるもの(437)
カテゴリ:陽明学
一 心友問う。怒〔いか〕りては難を思うと。利害をはかるに似たり、いかむ。 云う。怒りの火気の中には、言を過ごし行をあやまり後悔の難あるものなり。 甚〔はなは〕だしきはあだを得〔う〕るに及べり。 「君子は刑を懐〔おも〕う、小人は恵〔けい〕を懐う」の類なり。 恵をおもうは利害の心也。刑をおもうは君子孝子の慎み也。 怒りて難を思うは、深淵に臨みては落ち入らむことを慎むの道理也。 小人は甚だ難を恐れさくる(避くる)といえども、 愚にして火気におかされ、其の難を前に弁えず。 君子は義に当てては難をさけずといえ共〔ども〕、 自らまねく禍〔わざわい〕をば慎みさくるなり。 火気うすき故に、心明らかにして後の難を前に知る也。 故にいかれ共〔ども〕難あらず。楽しみて淫せず哀しみて傷〔やぶ〕らざるに同じ。 一 心友問う。心友問う。舜の怨慕〔えんぼ〕は、註(※朱註)に 父母を怨〔うら〕むるに非ずといえり。孝子のうらみありと聞くはいかん。 云う。則ち孝子の怨みなり。常人の父母をうらむる心にてはなしといえども、 父母を怨むるにあらずとはいいがたし。 二、三歳の幼子の、母にうたれてなきながら、又母をしたいて跡をつき行くこころ也。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022年06月03日 22時00分32秒
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