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テーマ:日本的なるもの(437)
カテゴリ:陽明学
一 心友問う。神代〔じんだい〕の神器は知・仁・勇の徳の象とうけ給わりぬ。 内侍所〔ないしどころ〕(※鏡)を第一とし給うが如し。知を重んずることは何ぞや。 云う。人君の、国を治め四海をたもち給う事、知を以て主体とす。 知〔ち〕明らかなれば、とりしめ(取り締め)ありて事〔こと〕可にあたる。 故に、太平の時は無事にして治〔おさま〕り、 事ある時は士民皆主君の下知〔げち〕を信ず。 生まれ付き仁愛・勇強にして、一旦人にほめらるる人有りといえ共〔ども〕、 知〔ち〕明らかならざれば、命令、可に当たらず。 故に、法令〔ほうれい〕数多〔あまた〕に成りて事しげし(繁し)。 人あまねく(遍く/普く)したがいがたし。 しいて(強いて)立てむとすれば人をそこない乱をなす。 立つることあたわざれば(能わざれば)法令〔ほうれい〕出〔い〕でてもなきがごとし。 人〔ひと〕皆〔みな〕上〔かみ〕の下知〔げち〕を信ぜざれば、 時ありて国やぶれ天下乱るるもの也。 夫〔そ〕れ神〔かみ〕の代〔よ〕・人の代〔よ〕の其のむかしは、 治体に通じ給いし故に、鏡〔かがみ〕・璽〔たま〕・剣〔けん〕を以て 知・仁・勇の象とし、知を主とし給いし也。 知の実は人を知るこれ也。人を知るは帝堯を以て師〔し/すい〕とすべし。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022年06月11日 00時30分27秒
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