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2022年07月21日
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カテゴリ:陽明学
 
 一 学友問う。間思〔かんし〕雑慮〔ざつりょ〕はらえども(払えども)生じて制しがたし。
 
 云う。間雑の二字を妄〔もう〕とす。思慮は絶〔た〕ゆるべからず。ただ邪なからんのみ。
程子云わく、人は活物〔カツブツ〕也、動作あるべし、思慮有るべし。
邪を閉〔ふ〕せぐ時は、誠おのづから存す。則ち忠信を主とす、といえり。
誠は無欲也。思うこともなく、為〔す〕ることもなし。
寂然〔せきぜん〕不動にして感じて天下の故〔こと〕に通ず。
今の人は、一己〔いっこ〕の人欲、身の主たり。
故に思うこと天理ならず、動くこと義理ならず。思〔し〕・為〔い〕共に皆妄也。 
妄の主をかえずして其の末をふせぐとも、制し得〔う〕べからず。
間雑をはらうの念、又心上に累〔わづら〕いをますべきなり。
しかじ、有念〔うねん〕・無念〔むねん〕ともに忘れて誠を思わんには。
 
 
 
 
 一 心友問う。易〔イ〕に居て命〔メイ〕を俟〔マ〕つの義、いかが。

 云う。富貴〔ふうき〕・貧賤・安静・患難・死生・寿夭〔じゅよう〕みな命也。
俟つは客をあえしらうがごとし。
心、惑〔まど〕いなく願いなく、安易の地に居て、天命の客をあえしらう意也。
死生も則ち客也。
故に、朝〔あした〕に道を聞いて夕〔ゆうべ〕に死すとも可なるもの也。
《正叔の云わく、吾〔わ〕れ日に安地を履〔ふ〕む、何をか労し何をか苦しまん。
他の人は日に危地を践〔ふ〕む、これすなわち労苦す。》
(正叔云、吾日履安地、何労何苦。他人日践危地此乃労苦。)
凡人は苦を以てたのしびとす、これを惑いという。
日々さかしき所をおこないて幸いを求む。命のいたる事を知らず。
柔弱の者はさし当りて憂哀し、勇強の者はせまりては是非なしとして亡ぶ。
ともに心くらきは一つなり。





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Last updated  2022年07月22日 20時09分20秒



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