【不自由から工夫が生まれる】
【不自由から工夫が生まれる】 作曲家の中島薫さんは、 「人間には、誰にも欠点やマイナスの部分がありますが、問題はそれを どうプラスに転化するか、どう自分特有の武器にしていくかです」。 と語っています。 彼は、自分のハンディを逆転のチャンスととらえ、積極的な人生を築いた 人です。 中島さんは、3歳の時に小児まひになり、左手が少し不自由になりました。 しかしその後も、手のことを自分の欠点だとは特に思わなかったそうです。 小学校3年生になり、一つの壁にぶつかりました。 音楽の授業で縦笛を吹くことになりましたが、左手のせいでうまく音が出 せませんでした。 彼は、そのことをお母さんに相談しました。 「ようするに、ちゃんと音が出たらいいわけでしょう。 それなら右手と左手を反対にして吹いてみたら? それでうまくいけばいいんじゃない」 と、お母さんはアドバイスしました。 お母さんの言葉に従って練習を重ねた結果、彼は縦笛が上手に吹けるよう になりました。 すると、笛の演奏に大きな自信が生まれて、県の音楽のコンクールの独奏 部門で優勝するほどまでに成長しました。 もし自分の左手が普通の人と同じだったら、縦笛は上達しなかったかもし れないと彼は考えました。 ハンディがあるからこそ、みんなと違う方法で頑張ろうという気持ちにが 生まれ、探求心や向上心に満ちた個性を育ててくれたのです。 何かの弱点やハンディキャップがあっても、自分のやりたいことをあきら める必要はありません。 一時的に、そのような気持ちになることがあっても、弱点やハンディが長 所や武器に転じることもあるのです。 人生において、どのような心の持ち方や考え方をするかは、大きな岐路と なります。 (by ハートリンクス)