【幸福の公式】
【幸福の公式】 ★ひろさちや氏の言葉から― ◎仏教とは何か? そう聞かれると、わたしは、仏教とは「幸福学」であると答える。 いったい幸福とは何か、どうすればわたしたちは幸福になれるか? それを教えてくれるのが仏教である。わたしはそう思っている。 ところで、幸福とは何か……に関して、世間一般では次のような「幸福 の公式」を考えているようだ。 ―― <幸福> = <充足> ÷ <欲望> ―― 幸福とは欲望を充足させることだと、世間では思われている。 年収一千万円がほしいという欲望があって、五百万円の年収だと五割の幸福、 八百万円だと八割、一千万円だと十割の幸福ということになるらしい。 それがこの公式である。しかし、この公式はまちがいだ。 なぜなら、われわれの欲望はいつも無限にふくれあがるからである。 最初、一千万円の欲望を持っていた人が、いつのまにか二千万円ほしいと思 うようになる。 分母の欲望が増大するのだから、いくら欲望を充足させても幸福は得られな い。われわれはこの公式によっては、絶対に幸福になれない。 そこで仏教が教える「幸福の公式」は、このようになる。 ―― <幸福> = <知足> ÷ <少欲> ―― つまり、欲望を少なくし、足るを知るこころを持て、そうすると幸福になれ る、と仏教は教えている。 いわゆる「少欲知足」である。 なるほど、分母のほうを小さくするのだから、わたしたちは容易に幸福にな れる。そして、得られたもので満足すれば、わたしたちは幸福でいられる。 ほんとうに幸福になりたかったら、この仏教の公式によるべきだろう。 わたしはそう信じている。 (参考文献:ひろさちや著「がんばらない がんばらない」PHP文庫)________________________________________ *「足るを知る」ことができると「感謝」することができます。 これは大きな意味でいえば『法則』といえるかもしれません。 感謝できると、余ったものは誰かに与えたくなるのです。 よく、感謝は万能の心であるといわれます。 今の自分に与えられているものを、恵みととらえることが、「足るを知る」 ことにもなるのだと思います。 欲を持つことは悪いことではなく、欲のために人を傷つけたり、貶めたり することが悪いことです。 欲というものに振り回されないためにも、『幸福の公式』を自分の生き方に 照らし合わせてみましょう。