11月号の生活の発見誌に他人の思惑が気になって生活に支障が出ている人のお悩み相談がありました。
きっかけは、以前アルバイトをしていた時に、同期の人から「パソコンを打つのが遅い」と厳しくプレッシャをかけられたことだったようです。
自分なりに何とかしようと努力されたそうです。
しかし思えば思うほど泥沼にはまっていき、そのうちに出勤する前は、血圧が上がり動悸がするようになりました。
他人との関係で気を遣い過ぎる人は、自分の気持ちを相手に伝えることができない。そんなことをすれば相手とけんかになり人間関係が壊れてしまうことを恐れています。
言い争いになると自分がいつも負けてしまうという先入観を持っています。
他人は自分に危害を加える恐ろしい存在とみなしているのです。
そのうち苦手な人から逃げ回るようになります。
逆に格下の相手に対しては傍若無人の態度をとる傾向があります。
さらに自分の弱みや欠点を人前にさらすことは、相手につけ入るすきを与えてしまうので隠すようになります。
最終的には、人との接触を避けるようになり孤立していきます。
こういう人の心理は、他人に負けたくない。勝ちたがりなのだと思います。
できるならば相手を意のままにコントロールするような人間になりたい。
すべての面で相手の上に行きたい。絶えず優越感を味わって生活したい。
高良武久先生は他人の思惑が気になる人に対して、自分の出来ること、自分が興味や関心があるもの、自分が好きなことに寝食を忘れるくらい一生懸命に取り組みなさいと言われています。
一つのことにわき目を振らずに10年くらい取り組むとその道では専門家になります。
専門家になると、他人から一目置かれるようになります。
すると自己信頼感、自己肯定感が生まれてきます。
その時人の思惑に振り回されている状況は一変してきますと言われている。
これ以外に短期的に効果があるものがありますのでご紹介します。
相手が感じていることは、自分ではどうすることもできないものです。
頭の中が人の思惑に乗っ取られたようなものです。
つまり100%対人関係のことを考えているのです。
その割合を90%、80%・・・と減少させていく方法をとることです。
その方法は規則正しい生活を習慣化することです。
基本的に毎日同じ時間に同じことをする習慣を作り上げる。
ルーティンワークを作り上げて丁寧に取り組むことです。
まず起床時間、就寝時間を決めることです。
次にメインの作業を割り当てます。仕事がある人は仕事がメインになります。
家事中心の人は、食事の準備、洗濯、掃除、整理整頓がメインになります。
大枠が決まったら、身支度、動植物の世話、趣味、学習、習い事、近所付き合いなども組み込みましょう。
これらが習慣化すれば、他人の思惑ばかりに振り回されることは格段に少なくなります。
それは前頭前野が悩みだす前に、身体のほうが無意識のうちに動きだすからです。
考えることと、行動することは同時に行うことは難しいです。
行動することによってネガティブな感情は流れていきます。
さらに行動することによって弾みがついて、生産的、建設的、創造的なことに悩むようになります。