カテゴリ:治るとはどうゆうことか
生活の発見誌2024年5月号の記事の紹介です。
森田先生は40歳の主婦の心臓神経症を一朝に治した。 私ははじめその患者を往診したのであるが、早速、次の日曜日には、私の家へ患者が一人で来るように約束したのである。患者は実に21年目の外出である。 患者は外出すれば必ずその家の玄関まで来て発作が起きるということである。 すなわち私は、その発作の状態を一度私に見せてもらいたいというのである。 次の日曜日患者は2里ばかりの途を一人で自動車でやってきた。 その日の朝、家を出る少し前から軽い発作が起こったが、私の家に来て午前から夕方まで留めおいて、その発作を起こさせるように追い立てたけれども、思うとおりに少しも発作が起こって来ない。 私は予め、その患者が私の家に来ればけっして発作が起こらないことを知っている。患者はまた次の日曜には、朝から今度は一人、電車で私の家に来るように約束した。 心悸亢進発作、死の不安等の患者には、自ら進んでその発作を起こすような境遇において、その発作を起こすような境遇において、その発作を起こさせ、その発作の状況を自ら見つめ、精細に観察させることによってこれを治し、けっして再発しないように全治させることができる。 私が実験したこんな例ははなはだ多数にのぼっている。 勇気ある患者は、10年の心悸亢進発作が、1回の私の診察によって全治し、思いきってこれのできない人は、私の監視の下にこれをやり、怯懦で聞き分けのない人は、入院療法30日以内で全治することができる。 その他種々の強迫観念において多くの場合に、この心理を応用することができるのである。 なお強迫観念というのは、ある感覚・感情を排除しようするときに起こってくる葛藤状態のことを言います。精神的な苦痛を伴い、生活上の悪循環が始まります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.06.21 06:33:47
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