カテゴリ:観念重視から事実重視への転換
孫正義氏のお話です。
アメリカにTEMPUS(テンパス)という会社があります。 8年前にエリック氏によって創業され、今年ナスダックに上場した。 この会社は約2000のがん治療の専門病院に最適なガンの治療方針を提示する会社です。 今までのがん治療は、その病院の独自性が強く、治療はその病院の裁量に任されていました。治療は限定的でした。 別の治療方法の提案や代替治療は、即座に拒絶されるようなありさまでした。 必ずしも患者に寄り添った最適治療ではなかったということです。 その病院の治療法が尽きて、がんが転移してしまうと、治療を終了して、ホスピスに送られていたのです。 この会社は各病院の貴重な電子カルテをアダプタというものを使って共有化することに成功しました。 現在アメリカのがん患者の半数(70万人)の遺伝子検査の解析結果を整理・分類している。 アメリカではガンになると真っ先に遺伝子検査を行うそうです。 この点では、現在の日本では後回しにされているようです。 その他、各病院の独自カルテの一元管理、病理データ一の一元管理と解析、CT、MRI等の画像データの共有化を行っている。 さらに膨大なデータを進化が著しいAI(人口知能)が分析している。 このAIは現在すでにアメリカの医師国家試験に合格する力があるという。 医師国家試験は60%の成績で合格できるそうですが、AIは現時点で80%以上の成績をたたき出している。 このAIは、今後さらに進化を続けて、約12年後には現在の10億倍の知能をもつと予想されている。 多くの基礎データの集積と分析は今後のがん治療を劇的に変化させることが考えられる。 AIは遺伝子のコピーミスの違いによるガンの症状別分類、過去の治療法の有効性・無効性などを判定してくれる。 その結果、今までの遺伝子検査だけでは27%の最適医療しか提示できなかったが、このシステムを活用することで96%の最適医療が提示できるようになるという。 その中には抗がん剤治療、手術、放射線治療のほか、現在開発中の医療、その他代替医療の提示なども含まれる。 このシステムを利用すると、提示された最適医療の中から患者が医師と相談して納得できる治療を受けることができるようになる。 肺がん一つとっても人によってその容態は違います。 抗がん剤一つとってもいろんな種類がある。 遺伝子解析の情報をもとにして、AIがリアルタイムでその患者にとって最適な治療方法や治療薬を3つぐらい瞬時に提示できる。 もちろん副作用のデーターも提示する。ピンポイントで的確な治療法を選択できる。 孫正義氏によると、日本では今年8月からSB・TEMPUSという会社を立ち上げて、すぐにこのデータを活用できるようになるという。 日本では、すでに13のガンの中核病院が参加を表明している。 その病院独自の電子カルテを変更する必要がないので参加の障壁は低い。 軌道に乗れば今後どんどん増えていくことが予想される。 情報の共有化は、できるだけ事実に近づくために大切なことだと思う。 森田理論も事実の共有化という視点を取り入れてみたいものである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.07.07 06:34:27
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