カテゴリ:人間関係、不即不離
渡辺和子さんのお話です。
人間関係を和やかにするためには、相手の立場に立つことが欠かせません。 例えば、夫が会社から戻ってきて、「ああ今日は疲れた」と言ったときに、知らん顔をする、その言葉を聞き流すのは論外です。 「私だって、1日結構忙しかったのよ」と自己主張したのでは、二人の間はうまくいきません。 その時に、「ああそう、疲れたの」と、相手の気持ちをそのまま受け入れてあげることが大切なのです。 友人が、「私、海外旅行に行ってきたの」といえば、「あら、私もよ」と相手の出鼻をくじいたり、「どこへ、誰と」と尋ねたりする前に、「そう、旅行してきたの」とおうむ返しに相手の発言をそのまま繰り返して、相手と共感することが、相手への真の優しさとなります。 私たちはとかく自分本位になりがちで、共感する前に、自己主張をしがちです。 相手が感じていることを、そのまま受け止めてあげる前に「私だって」とか、「私なら」と比較してしまいがちになります。 (目には見えないけれど大切なもの 渡辺和子 PHP文庫 ) 枡野俊明氏は、「の」と「と」の使い分けの重要性を説明されています。 「私の仕事」「私の友達」「私の夫」「私の妻」という言い方は、上下の対立関係よりも、横の対等な関係性を連想させます。 「私と仕事」「私と友達」「私と夫」「私と妻」という言い方は、両者の関係が対立的になりやすい。対立するとグチや不平不満が発生して、批判や否定の態度に陥りやすい。 対立関係というのは、森田でいえば「かくあるべし」を自分にも、相手にも押し付けることにつながります。 神経症に陥る原因にもなりますし、自分が苦しくなるばかりです。 枡野俊明氏は、すべての物事と向き合うときに「の」の心で向き合うことを勧めておられます。 (2020年10月6日投稿記事より) 樹木希林さんは、相手から気に障るようなことを言われたとき、「さいですか」というのが口癖だったそうです。 腹がたつ。憤りを感じた時、すぐに反論するのではなく、最初に「さいですか」と言って、相手の発言を受け止めておられたのです。 「売り言葉に買い言葉」的な言動の弊害をよく理解しておられたのでしょう。 (2020年2月10日投稿記事より) 今年は梅は不作でしたが、栗と柿はたくさん実がついています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.08.17 06:20:09
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