カテゴリ:感情の法則
アドラー心理学の「怒り」についての考え方はとても参考になります。
相手の言動によってあなたが本気で腹が立ったとき、相手が「権力争い」を挑んできているのだと考えてください。 相手の目的は戦ってあなたに勝ちたいのです。あなたを屈服させたいのです。 勝つことによって、自らの力を証明したいのです。 勝つことによって、上下の人間関係を確立させたいのです。 たとえば、あなたが友人と現下の政治情勢について語り合っていたとしましょう。そのうち議論は白熱し、お互い一歩も譲らぬ言い争いのなか、やがて相手が人格攻撃にまで及んでくる。 だからお前は馬鹿なのだ、お前のような人間がいるからこの国は変わらないのだとまで言ってきた。 この場合、相手の目的は、純粋に政治問題を語り合いたいのではありません。 相手はただあなたを非難し、挑発し、権力争いを通じて、気に食わないあなたを屈服させたいのです。 ここであなたが怒ってしまえば、相手の思惑通り、関係は権力争いに突入します。 ここで相手の挑発に乗ってしまうと人間関係は壊れてしまいます。 また、その挑発に応じて運よくあなたが相手を打ち負かしたとしましょう。 打ち負かされた相手は潔く負けを認めて引きさがるでしょうか。 争いに敗れた相手は、次の段階に突入します。 相手は別の場所、別のかたちで、なにかしらの「復讐」を画策し、報復行動にでます。 親に虐げられた子供が非行に走る。不登校になる。リストカットなどの自傷行為に走る場合があります。 アドラーの目的論という考え方によると、そのようなことをすれば親は困ります。 あわてふためき、胃に穴が開くほど深刻に悩みます。 子どもはそれを100も承知のうえで、問題行動を起こしているのです。 親に対して「復讐」するという目的を達成するために問題行動を起こしたのです。 普通はリストカットをする子供を見て何のためにそんなことをするのかと不思議に思う人もいるでしょう。 しかし、リストカットという行為によって、周囲の人がどんな気持ちになるのかを考えてみて下さい。 そうすれば、おのずと行為の背後にある「目的」が見えてくるはずです。 この手の話は自分の体験に照らし合わせて納得できる方もいらっしゃるでしょう。 相手の「復讐」は、周りの賛同者をかき集めて泥沼の戦いが始まります。 この戦いには終わりはありません。 対人関係が復讐の段階にまで及んでしまうと、人間関係が破綻し、当事者同士の解決は不可能となります。 またこれがトラウマとなって一生涯悪夢でうなされるようになります。 そうならないためには、自分を打ち負かしてしまいたいという相手の挑発には、決して乗ってはならないことです。 毒蛇でも怖いからとつつきまわしていると、とぐろを巻いて飛びかかってきますよ。 こうゆうときは、相手から距離を置く、誰かに仲介を頼むなどの手立てが必要になります。 売り言葉に買い言葉的な対応は後で禍根を残すことを肝に命じておきたいものです。(嫌われる勇気 岸見一郎 ダイヤモンド社 参照) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.08.25 06:34:18
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