カテゴリ:生の欲望の発揮
アドラー心理学の大家、岸見一郎氏は、心筋梗塞で倒れて絶対安静の日々を過ごされたそうです。
お母さんが49歳の若さで心筋梗塞で倒れ、そのまま亡くなられていたので、心境は察するに余りあるものがあります。 夜眠るとこのまま朝目ざめないのではないかという不安にとらわれるようになったと言われている。 その後岸見氏は「心筋梗塞生還記」と題する闘病記録を書き始めた。 当時がん闘病記は数多くあるのに、心筋梗塞の闘病記はあまりなかったからです。 同じ病気になり、同じ手術を受けた者でないと共有できない経験があるはずだと思っていた。 冠動脈バイパス手術を受けたときにも細かく手術前後のことや手術の経過などについて書いた。インターネットで公開すると同じ病気で倒れた人や家族などの共感を得ることができた。 朝目ざめて、とにかく、その日にすることがあるというのはありがたいと思えるようになった。 本を書くことが「余生」の仕事だと理解した私は退院後の人生の指針が見えたと思った。(人生は苦である、でも死んではいけない 岸見一郎 講談社現代新書) 岸見氏の話から、人間は絶えず課題や目標を持って生活することが、欠かせないことがよく分かります。 不治の病を持って生まれてくる人もいます。 ケガや病気にかかり不自由な生活を余儀なくされる人もいます。 地震や自然災害で命を落とす人もいます。 戦争真っただ中の時代に生まれてくる人もいます。 紛争の絶えない国に生まれる人もいます。 人権を無視した、理不尽な扱いを受ける人もいます。 人間関係で問題を抱えて仲間外れにされる人もいます。 生きていると後悔や罪悪感に苦しむこともあります。 理想とは程遠い現実を目の前にして、自分の不幸を呪い、理不尽な境遇や運命を憎み、自分自身を否定することがあります。 打ちのめされて、再起不能の状態のまま死を迎えるのは残念なことです。 それを回避するためには、課題や目標を持って生活していくことではないでしょうか。 私は歳をとり、後悔や罪悪感に苦しんでいます。 仕事では与えられた責任を果たせなかったこと。 部下を育てることができなかったこと。 良好な人間関係を築けなかったこと。 子どもを立派に育てることができなかったこと。 今の心境は後悔や罪悪感につながる経験をもっともっと積み重ねてみようという考え方に変わってきました。 それらをきちんと整理して、どうすれば今後、後悔や罪悪感で苦しまない人生を送ることができるか。 森田理論で分析して、このブログや森田理論の学習の場で公開する。 そのように考えると、私の問題行動や考え方が、宝の山のようなものに見えてきました。 この活動に取り組む私には、岸見先生と同じような生きがいが生まれます。 人生に無駄なことは何一つないという話を聞いたことがあります。 今後ミスや失敗、後悔や罪悪感の経験は赤裸々に公開していくつもりです。 それを私と同じような苦しみを味わっている人に、反面教師として役に立ててもらいたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.11.01 06:41:17
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