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FLOWER GARDEN 2

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2009.06.20
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彼女と私の目が合った。
と、思ったけれど、彼女は直ぐに「準備は出来ているわ」と言いながら、先生を抱きかかえているリンと一緒に奥へと入って行った。
扉が閉まるほんの一瞬、奥に医者らしき白髪の男性が腕を捲り上げている姿が見えた。

「どうか、神様」

テーブルの上で腕を組み、目を瞑ると扉が開き、リンが出てきた。

「大丈夫だよ。あのヤブはもっと酷い状態だったジョージを助けたんだからな」
「彼が?」
「医師免許はないが、腕はどこの医者よりも確かだ」
「免許がないって、お医者様じゃないの?」
「正確には、医者だった、かな。剥奪されたんだ20年程前にな」
「どうして……」
「まぁ、ともかくヤツに任せておけば大丈夫さ。命に別条はないそうだからな」

最後のリンの言葉にようやくほっと胸を撫で下ろした。
リンはリビングを横切り、冷蔵庫を開けるとコップに水を汲み、私の方へと差し出した。

「有り難う……」
1口2口と水で口を潤すと、射るような目で私を見ているリンの存在に気付き、息を飲んだ。

「さて、と。まずはこれを見て頂きたい、ミセス・マッカーシー」

リンは掌から紐の通された穴の開いたコインを取り出すと、時計の振り子のようにユラユラと左右に揺らし始めた。
私はそれを見まいと目を背けようとするのに、まるで強い力に引かれるようにコインの動きをおった。

「そう……いい子だ」

自分の体が風に揺らめく木の葉のように揺れて行く……
リンが何かを言っている……

暗闇の中で、ジョージが何かを叫んでいる……

何?
何と言っているの?

「アリシア!逃げるんだ!」

次の瞬間、光の洪水が押し寄せ、物凄い勢いで、記憶の成層を上へ上へと昇って行った。

「ジョージ!」

私は目を見開き、立ち上がった。

「思い出したかな?ミセス・マッカーシー」
「あな……た…は、リン……。リン・イーレイ」
「時は、満ちたようだな」

リンはコインをテーブルの上に置くと、薄っすらと微笑みを浮かべた。

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Last updated  2009.06.20 22:51:06
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[第2章 泡沫の夢のように] カテゴリの最新記事


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小山千鶴@ Re:ひさしぶり・・・(06/20) koukoさん ご無沙汰しています。 本当に…
kouko@ ひさしぶり・・・ ご無沙汰です。 元気にしてますか?再開…

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