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2009.07.20
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カテゴリ:第3章 約束の地へ

「まぁ、そんなに身構えなさんな。腹が空いたろう?用意は出来てる」
リン・イーレイは口の端をくっと上げると、テーブルの方を見て顎で杓った。

「アリシアはどこにいる?!」

僕はリビングに滑り込むと、暖炉脇にある火掻き棒を掴み、リンの喉元に突き付けた。

「くっくっ。君もジョージに劣らず、血の気の多いお坊ちゃんだな」
「ジョージ?!」

僕が一瞬怯んだ隙に、リンは棒を蹴り上げ、落ちてきた棒を空中でキャッチすると、僕の喉元へと突き付けた。

「形勢逆転だな。どうする?」

僕が答えずに睨みつけると、リンは火掻き棒をクルクルとバトンの様に回し、暖炉の脇に投げた。

「ミセス・マッカーシーは家に帰したよ」
「えっ!?」
「そろそろ約束の鬨が来た」
「約束?」
「そう。約束だ」

リンは暖炉脇にある椅子に腰を下ろすと、両手の指を組み、顎を乗せた。
彼は何を言っているんだ?
ここは調子を合わせた方が良いのだろうか?それとも、知らないと正直に伝え、その内容を彼から引き出すべきなのか?

「もう君を送り込んでいたとは、フジエダも随分、用意が良いな」

僕を送り込む……

リンの言葉にはっとなって、顔を上げた。

僕がアメリカへ来たもうひとつの理由。
それを彼が知っているのだとしたら、その理由は……


「もう少しで約束の鬨だ。準備に30年、ようやく……」

リンの冴え冴えとした笑みを見つめながら、確信した。

もう、運命が動き始めてしまったのだ、と。










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Last updated  2009.07.20 10:23:06
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小山千鶴@ Re:ひさしぶり・・・(06/20) koukoさん ご無沙汰しています。 本当に…
kouko@ ひさしぶり・・・ ご無沙汰です。 元気にしてますか?再開…

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