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カテゴリ:読書
ウイリアム・ブレイク William Blake(1757-1827)
イギリスの神秘家、詩人、画家、意匠図案家、予言的思想家。 バタイユは幻想家〔見神家〕ヴィジョネールと呼んでいます。 私が初めてブレイクの絵を見たのは、数年前の「テート・ギャラリー展」での数枚ででした。ここにアップしたのはその時のカタログからスキャンしたものです。 上:《聖職売買の法王(ダンテ『神曲』より)》 下:《戦車の上からダンテに語りかけるベアトリーチェ(ダンテ『神曲』より)》 両方ともペン、インク、水彩、紙 ブレイクは日本では柳宗悦によって1914年雑誌「白樺」に紹介されたのが最初で、岸田劉生、村上華岳、入江波光などに大きな影響を与えたそうです。 これら数枚の絵を見ただけでは、ブレイクがどんな人物かわかる由もありませんでした。 それがバタイユの「文学と悪」でのウイリアム・ブレイクを読んではじめて輪郭がわかってきました。とても明晰に詳しく論じられています。 ウイリアム・ブレイクの生涯と作品 詩の至高性 ユングの精神分析によるブレイクの神話世界の解明 悪の照明としての『天国と地獄の結婚』 ブレイクとフランス革命 *ブレイクはすこしも哲学的な人間ではなかったが、彼は、本質的なものを、哲学もうらやむほどに、力強く、また的確にさえ、言いあらわしている。 *悪としての精力(エネルギー)の側に与して、ほかならぬ悪そのものから、その深い意味を汲みとっているのである。 そして引用されている詩も解説も面白く、とてもここには書ききれませんので、 後ろの〔注〕に書かれていて、とても身にしみた言葉を挙げておくだけにします。 ブレイクに興味を持たれた方は、ぜひバタイユの「文学と悪」を読んでみてください。 *「憤怒の虎は、飼い馴らされた馬よりも賢明である」 (『天国と地獄との結婚』の〔悪魔の格言〕) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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