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2006.06.11
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カテゴリ:映画
今村昌平監督が亡くなられて、『セプテンバー11』が遺作であったことを哲0701さんのブログで知った。
セプテンバー11はその企画といい内容といい、素晴らしい映画であったと思う。
その中にあって、日本の今村さんの作品は失敗作であるという批評を、いくつか目にしていた。
私自身もこの「11分9秒1」に非常に違和感を覚えるとともに、その不可解なグロテスクさが何を意味しているのかわからず、わだかまりがずっと残っていた。

それで、筑紫哲也さんの司会でテレビ放送されたときの録画ビデオを探して、昨夜もう一度見なおしてみた。
いくつか発見があった。

まず、●真珠湾攻撃と特攻隊と原爆がかぶせられていること。
●仏教圏からの発信としては、仏像となまくら坊主が描かれていること。
そして戦争から蛇になって帰ってきた勇吉の蛇は、性と再生を意味するのではないか。
●勇吉の戦場での回想シーンで、妻の名を呼びつつ震えている彼を、上官兵士が蹴飛ばすのだが、その上官は昭和天皇の姿かたちを髣髴させるものであること。
●最後の“聖戦ナンテアリハシナイ”という文字は、アラーの名のもと自爆したテロリストへのメッセージであると共に、当時9.11を真珠湾攻撃と喧伝したアメリカへのメッセージでもあると、思われた。
●この今村作品は、無謀にも世界を相手に戦争して完膚なきまでに敗北した日本という位置からの、グロテスクでしたたかなメッセージだったと思われます。

私は実は鼠が苦手でその尻尾が特に恐いのです。
この作品中、蛇と化した勇吉が鼠を呑むシーンがあり、口から鼠の尻尾をちらつかせたまま這いずるのを生視できずに、一時的に心神喪失状態(笑)になったためか、記憶もずいぶん錯乱してしまっていたようです。
「勇吉」の字もこれでよかったのかな?「雄吉」だったかもしれない…
だんだん怪しくなって来ました。(笑)


『セプテンバー11』はとても大切な映画なので、他の作品については次回にまとめてみたいと思います。







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Last updated  2006.06.11 11:23:34
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