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テーマ:美術館・博物館(1558)
カテゴリ:美術
ここで開催されている『美術館は白亜紀の夢を見る』展
のチケットをカインさんに頂戴したのが、この美術館に行くキッカケになりました。 “白亜紀”という語感は、気分を高揚させる力を持っているようです。 白亜紀は今から1億4600万年前から6500万年前までで、 1億万年前というのはちょうどその中頃になるそうです。 白亜とはチョークのことで、ヨーロッパの地層に多いのでこの名があるという。 白亜紀の終末には、アンモナイトと恐竜が絶滅しているという。 また大海進時代から大海退時代に移り、海洋プレートに乗って各大陸が移動し始めたという。 ということは、おいておいて、この『美術館は白亜紀の夢を見る』は 観客参加型の非常に面白い企画でした。 美術館と博物館の境界を取り払い、また異なるジャンルのアーティスト達の発想が発信されています。 意外な資料との出会いを楽しむ仕掛けとして、6つのテーマに配分されているのが 「夢六夜」。 1.顔はいろいろ パプアニューギニアの頭蓋骨掛け用の精霊像、土偶、神楽面、ルフゥーノ・タマヨ作の《ヴァイオレットの顔》、柄澤斎作の《肖像4 マルセル・プルースト》、アンドレ・ジル作の《X氏…?》などが、同時に陳列されていて、まず、びっくりさせられる。 これは普通の美術展じゃないな!となんの予備知識もなく入った私の頭を刺激してくれる。 2.時間と動き 精巧に作られた携帯用日時計(これは明治時代の作!)、マレの《飛ぶ鳥》の連続写真など。 3.うつすもの、うつされるもの シダの化石、瑛九作のフォトグラム、染めの型紙など。 4.火のちから、水のちから 関東大震災の瓦版、浮世絵の両国花火、消火器(これはアート作品かと見間違えたほど!) 川本末雄作《浜風》、福岡道雄作《飛び石》(これらは水の漣や、水面に浮かぶ石のうえに坐る人たちを描いている) 5.○○○(まるまるまる) 文様として使われている○は親しい。 完成、宇宙、永遠、幸福などと結びつくという。 現代アートからは、草間弥生や安達武生の作品が、壺や陣笠と一緒に並んでいる。 6.動物たちのすがた 古代の土器などに見られる動物は、どれも心引かれて大好きなのだが、ここでは時空間をこえて動物たちが刻まれたり、描かれたり、使われたり、祭られたり、イメージされている。 と、こんなぐあいでした。 飛行機のプロペラもあったっけ。 上記以外に、ジャンルを越えた現代アーティストの作品がありました。 五十嵐大介(漫画家)「物語り」 豊嶋康子(美術家)[復元」+「発火法(美術館に火をつける)」 彦根明+彦根アンドレア(建築家)「壁画を描こう~生活を記す」 屋代敏博(美術家)「回転回」 これらは、横浜トリエンナーレのようで、それぞれのコンセプトに五感が刺激されました。 写真は、この白亜展の図録です。 箱になっています。箱大好きな私は頬がゆるみます。 アンモナイトの化石も入っていました。 普通の名画を鑑賞するだけの美術展より、意識が霍乱されて元気になりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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