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2006.12.15
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カテゴリ:映画
『硫黄島からの手紙』を観て感じたこと。

1.予告編から受けるイメージと、本編は全く違うものであった。

 5日で終わるとされた戦いを、36日間戦い抜いた男たち。
 世界中の誰よりも、強く、愛しく、誇らしく------
 私たちはいま、彼らと出会う。


予告編のこのキャッチフレーズの美しい幻想を、暴いているのが本編だと言えるほどだった。

2.『父親たちの星条旗』でイギーへの日本兵の残虐行為を示唆したのにもかかわらず、
『硫黄島からの手紙』では、バロン西が負傷したアメリカ兵を手当てし、英語で会話し心を通わせようとする。死亡したその少年兵が持っていた母親からの手紙を部下たちに翻訳して読み聞かせる。

 “正義の為に戦い、必ず生きて帰ってきてね。”

そしてその後、手負いの身体になった西は、「自分たちが信ずる正義のために戦ってくれ」
と部下たちに言い残して自決する。

このような描き方にしたのは、何故なのだろう。

3. 軍人同士の確執を描いて、統率のとれた日本軍という概念を見事に覆していた。

4. 上官の命令には絶対服従の、暴力と暗さの象徴であった従来の軍隊の描き方だけではなく、生きて帰ろうとするもの言う兵士の、透明感のある明るさを表現しているように思えた。
『父親たちの星条旗』では見えなかった日本兵の顔が、それぞれの階層にしたがって個性を持った人間として描かれていた。

5. 本国作戦本部と前線地との落差は、両国とも同じだった。

6. 追いつめられた硫黄島の姿が、日本列島に重なって見えた。

7. 両方の映画が、2005年の「今」から始まっていて、現代と交錯しながら描かれたことに意義があると思う。









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Last updated  2006.12.15 12:29:39
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