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カテゴリ:読書
▼根本的には、われわれはいつも、関節がはずれているか関節がはずれそうになっている世界のために教育しているのである。これが人間の根本状況である。 ▼それゆえ、そこでは、世界は死すべきものの故郷としてひととき役立つように、死すべきものの手で創造されるのである。 ▼世界は死すべきものによって作られるがゆえに消耗するのであり、また、世界はそこに住まう者が絶えず入れ替わるために、かれらと同様に死すべきものとなる危険を賭すのである。 ▼世界の創造者とそこに住まうものの死すべき運命に抗して世界を保存するためには、世界の関節は絶えず新たにはめ直されねばならない。 ▼要は、むろん確実とはいえないにせよ、この世界の整復が実際に可能であり続けるように教育することにほかならない。 ▼つねにわれわれの希望は各世代がもたらす新しいものに懸かっている。 ▼しかし、われわれの希望はひとえにこのことを拠りどころとするため、旧いものであるわれわれが新しいものを意のままにしようとし、その在り方を命じようとするならば、われわれはすべてを破壊することになろう。 ▼まさに、どの子供にもある新しく革命的なもののために、教育は保守的でなければならない。 『過去と未来の間』アーレント --第五章教育の危機--より ひとつながりの文章を行分けにして抜粋してみた。 「保守的」という言葉の意味を、目から鱗の思いで読んだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.09.22 02:25:38
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