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カテゴリ:読書
▼…(略)伝説は次のことをはっきりと物語っている。どんなに人間が互いに兄弟たりえようとも、それは兄弟殺しから成長してきたものであり、どんな政治組織を人間がつくりあげてきたにせよ、それは犯罪に起源をもっているのである、と。 「はじめに言葉ありき」という聖ヨハネの最初の一句が人間を救済するための真実を語っているとすれば、「はじめに犯罪ありき」---「自然状態」という言葉はそれを理論的に純化して言いかえたものにすぎない---という信条は、人間事象の状態を示すうえで、幾世紀ものあいだ、この聖ヨハネの言葉と劣らないほど自明の真実を語りつづけてきたのである。 『革命について』ハンナ・アレント 志水速雄訳 (ちくま学芸文庫) 序章 戦争と革命 より お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.02 14:34:34
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