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カテゴリ:美術
勅使河原宏展を見た後、常設展を見学。
2時から学芸員の方がテーマ別に展示してある常設作品の解説をしてくださる、というメニューに恵まれていつもと違う目線で面白く作品の鑑賞をすることができた。 以下は覚束ない記憶を基にしてでありますが。 ○芸術の中に表れている宗教性について 深井隆作『逃れゆく思念---時の曳航』を例にとって解説してくださった。 今回はこの作品が一番印象に残った。 木で作られた長椅子の上に金箔のりんごが3個と金箔の本、 ひどく傷つけられた背もたれから伸びているよじれた金箔の2枚の翼、 4脚のうち後部の2本は未完のままに置かれている。 ○フレームについて 美術館が絵を購入する場合、すでに額縁が付いた状態のものがほとんどだそうだ。 額縁自体にも、その絵の所有者の歴史が刻まれているということだ。 額縁に絵を描いて遊んでいた中川一政美術館でみた作品を思い出した。 なるほど額縁から出されて寝かされたルノワールの絵をケース越しに上から見る、というのは中々できない体験である。 ○中西夏之作『arc・green-I』では 油絵のキャンバスに貼り付けられた弓の弧の部分を延ばして円を描けば その空間に美術館の一部が取り込まれる、すなわち観客もその絵空間内に立っているという体験がうまれるという…。 ○白髪一雄作『青波』は なんと、キャンバスを床に置いて、天井からぶらさげたロープにぶらさがり、絵の具をつけた足で勢いよく描かれたという、あっと驚く技法でありました。 ○その他 小茂田青樹作『春の夜』、クロード・モネ作『ルエルの眺め』、キスリング作『赤いテーブルの上の果実』、藤田嗣治作『横たわる裸婦と猫』、土田麦僊作『甜瓜図』などが印象深かった。 解説してくださった学芸員の方は、自由に見たこと感じたこと思ったことをどんどん話していいというやり方で、リラックスして楽しく鑑賞できた。 そのほか名作絵画の中の人物や動物に、吹き出しをつけて漫画のように語らせるというコーナーがあり、高校生のつけたものが展示されていたが、これには大いに笑ってしまった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.11 12:45:32
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