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カテゴリ:桜木悟史のコラム
先日、2回目の鑑賞を終えたので感想を書いていきます。1回目は普通に、2回目はMX4Dで鑑賞してきました。個人的には、結構、ストーリーで楽しませてくれるので、初回は普通に見ることをおすすめします。 ■ここが痺れる!!~音楽と小ネタまずSAOシリーズを支えているのがその音楽性の高さでしょう。音楽を監修しているのは梶浦由紀さん。Fateシリーズでおなじみですね。やはり幻想的かつ激しい戦闘が絡む作品で梶浦氏が描き出す音楽は最高ですね。本作最初の戦闘となるアキバUDXでの戦闘で曲が流れた瞬間、「Fateか!?」と錯覚するほど。個人的には両作品ともに大好きな作品ですのでこの時点で「最高だー!!」と思いました。 また他の作品との絡みでいうと、SAOシリーズのキャラクターデザインを担当する足立慎吾さんつながりでファミレスシーンでWorking!!の舞台である「ワグナリア」が登場。こういった小ネタもいいですね。それにしても北海道のチェーンにすぎなかったワグナリアが東京都心に出店しているとは、2020年代、すごい時代です(笑) ■ここが痺れる!!~ストーリーと演出そしてストーリーについては、これまでVRをベースにしていたところから、ARの世界に挑戦したということが素晴らしく、そしてうまくまとめたなぁという印象。 最初、見た時は「ARじゃここまで無理だろ」と思った部分もあったのですが、そこも最後の最後でオーグマーにはフルダイブ機能が搭載されているという解説で、ある程度、説明がつくので納得。 また新しい世界観を使いつつ、登場人物の背景にあるのはSAO時代の血盟騎士団での因縁で、このあたりを3週目の特典であるミニ小説「ホープフル・チャント」で解説されているものファンとしては嬉しい限り。ホープフル・チャントではアニメシリーズだけでなく、現在刊行中の外伝で2層以降のキリトたちの冒険を描いた「プログレッシブ・シリーズ」とも繋がっているのがニクいところですね。 そして、この作品の最大の見せ場である最後のバトルシーン、中でも第100層のボス戦は鳥肌もの。通常49人でレイドを組まないと倒せないはずの設定なのにあの人数で倒しちゃったあたりはご愛嬌ですが(笑)、それでも1人のボスをみんなの力を合わせてフルボッコにする。こういうの大好物です♪ これを見て思い出すのは、魔法少女リリカルなのはA's12話の夜天の書との戦い。SAOのシリーズはこれまでなんだかんだでキリトが1人で事件を解決する、ボスを倒すということが多かったので今回のような総力戦というのは新鮮でとても良かったと思います。 そのバトルシーンの中でも、一番胸熱なのは、やはりアスナがユウキと一緒に放つマザーズ・ロザリオでしょう。 一見すると「あれだけキャラを総登場させるのはやりすぎなんじゃないの?」と感じる人もいるかもしれませんが、マザーズ・ロザリオを発動させる前のアスナが言い放つ「今のわたしにできること」という一言で、この過剰気味な演出を見事に正当化してしまった一手は見事の一言。 アスナはこの事件でSAO時代の記憶を失っており、その時代に習得したソードスキルを使うことができません。そんな状態でアスナはどうやって戦うのか? そこでアスナが選んだ道はALO時代に親友のユウキから剣技伝承したOSS(オリジナルソードスキル)「マザーズ・ロザリオ」。SAO時代の記憶を失っても唯一使うことができたソードスキルをここに持ってくる合理性、そしてユウキが死に際に言った「技の・・名前は≪マザーズ・ロザリオ≫・・・きっとアスナを・・・守ってくれる」のひと言がここで回収されるわけです。川原礫先生、マジで天才だと思いましたね。
さらに、もう少し小難しくこのシーンの良さを語ると、アスナはプレイヤーが実際に動作[モーション]を何度も練習して体得するOSSを使い、一方でキリトはSAOの最強ソードスキルのひとつであるスターバースト・ストリームを使ってトドメをさすという違いもなかなかに味があります。 つまり、キリトはシステムに与えられたソードスキルを使い、一方でアスナは人間の力が生み出したソードスキルを使う。この違いは人工知能の話にも関連してきて、いわばトップダウン型とボトムアップ型の違いの象徴なわけです。この対比があってこそのエンドロール後の3期「アリシゼーション」編への宣伝・布石であり、実に深い造りになっています。 ■ここが痺れる!!~社会問題の提起SAOシリーズが常に素晴らしいと感じるのは、ただのアニメ作品に留まるだけでなく「社会問題を提起している」という点でしょう。 SAOシリーズ自体が2001年に書かれていたということ自体が驚きなのですが、このシリーズは常にリアルな社会の一歩先を歩んでいます。今回の作品はARということで、昨夏のポケモンGOには遅れをとった感はありますが、今後、ポケモンGO以外のAR作品が増えていった時に起こるであろう社会の姿や問題を視聴者にしっかりイメージさせています。 たとえば、ARでイベントをやる場合には今回のボス戦のように会場を立ち入り禁止区域にしたりと、今後こういうことは増えていくはずです。ポケモンGOではポケモンの巣に大量の人が押しかけ、多くの問題が発生しましたが、これからARを展開する企業はこの作品に学ぶ部分は多いでしょう。 そして、ARだけでなく、人工知能の話も興味深いテーマです。哲学的な話になりますが、今回の話でいえば、SAO生還者の記憶を集めて、ユナを人工知能として復活させるという話は「人間とは何なのか?」というテーマに行きつきます。このテーマは原作を読めばわかりますが、キリトがオンラインゲームに傾倒していくことにも関係する作品の本質部分です。人間は社会的動物であり、他者との関係性との中に自我を形成するという考え方もあります。 今回の重村教授の企みはその犯罪性のほうに目が行きがちですが、故人に関する記憶を集めて、人工知能やロボットとして再生するというビジネスは、流行るかはさておき、そう遠くない未来だと言えそうです。 ■余談:どーでもいい話2回目はMX4Dで鑑賞しましたが、戦闘シーン激しすぎて椅子からずり落ちそうになります(笑)おそらくARではここまで再現できませんから、オーグマーに関してはMX4Dのほうが臨場感が強いですね。 MX4Dに関しては、戦闘シーンの迫力もいいですが、やはりアスナさんの香りがポイントでしょう(笑) しかも代々木公園の戦闘前のお風呂シーンでアスナ愛用のシャンプーの香りと、キリトがアスナを押し倒す(?)シーンでは香水の香りがして、違う香りが2種類(計3回)楽しめるあたりがMX4Dの魅力でしょう。 あとSAOファンの間では人気は低いですが、個人的にはリズ/里香推しなので、改めてリズの性格の良さが表れていたのもGood。キリトとアスナが流星群にいくことに気づきながらも、そこは譲るあたりの奥ゆかしさ。いいですねぇ♪ 隙あらばキリトの近くを狙うシノン/詩乃もカワイイですが(笑) 直球な感情表現と、奥ゆかしさも兼ね備えるリズベット。アニメシリーズではリズへのフォーカスが少なめですが、原作を読めばあなたもリズの魅力に気づくはず!4週目特典ではドンピシャでリズ&シリカのポートレートもGETできたので今回は満足度MAXでした♪ (桜木悟史 @satoshi_style ) ←人気ブログランキング参加中! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 17, 2017 08:04:01 PM
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