恋してラブ・ソング♪
懐かしい曲を聴くとその曲をよく聴いていた頃の自分をつい思い出してしまう。そしてそんな時はいつも恋愛をしていた。私の中では、音楽イコール恋愛真っ只中の方定式が成り立っている。いい思い出もあれば、聞きたくない曲もある。80年代に流行ったリチャード・マークスの “Right Here Waiting” は聞く度に日本に残ったボーイフレンドを思い出す。♪ Oceans apart day after day (一日一日と海が僕たちを引き離し) And I slowly go insane (僕はだんだん狂しくなってゆく)と始まるこの曲はまるで私と彼を歌っているようだった。人よりうんと遅く出来た生まれて初めてのボーイフレンドと付き合って一年も経たぬうちに私は渡米した。大好きで大好きだったけれど、出会った時から決まっていた事。そして私はやっぱり自分の道を進んだ。別れずに、いつかまた一緒になれるといいね、と言い合いながら。♪ Wherever you go (君がどこへ行こうとも) Whatever you do (君が何をしようとも) I will be right here waiting for you (僕は君をここで待ってる) Whatever it takes (どんなことがあろうとも) Or how my heart breaks (傷ついたとしても) I will be right here waiting for you (僕は君をここで待っている)3ヶ月後に訪ねて来た彼に私は冷たかった。あんなに好きだと思っていたのに心変わりしていたのだ。そんなことも知らない彼といるのがとても辛かった。私の様子がおかしいことに気付いたミュージシャン志望の彼は歌いだした...Oceans apart day after day...私達がまだ付き合い始める前のデートで渋谷にある楽器屋さんに行った事がある。ミュージシャン志望の彼はその頃原宿のホコ天やライブハウスでバンド活動をしてた。ギターリスト。惚れたよしみもあって、ちょっとカッコいい彼だった。彼は私と楽器屋さんにフラッと立ち寄ったのはいいのだが、並ぶギターの前から動かなくなったのだ。一本のギターを手に取り、今はもう覚えていないが、一曲弾き語りを始めた。通り過ぎる人が彼を見る。そして私をチラッと見て通り過ぎていった。その人ひとりひとりに笑顔で返すことしか出来なかった。彼の側で苦笑して立ちすくむ私は、お願いだから止めて・・・心から懇願していた。のに、彼は曲の頭から最後まで弾き通した。私に曲を歌って得意そうな顔の彼は満足そうだったが、私はそこから早く逃げ出したかった。笑い話になった思い出だ。それ以来ミュージシャンと付き合ったことはない。それから、つたない日本語で久保田利伸の「ミッシング」の歌詞を一生懸命覚えてくれたり、サンバ音楽で躍ったり、フランク・シナトラ以上にシナトラ風に“Fly Me To The Moon”を歌って最後にYOU!と指を指してくれくれたり・・・ BEGINの「涙そうそう」を口づさみながら終わっていく恋を乗り越えたり。。。いろんな曲を聴くと嬉しい気持ち、切ない気持ち、絶望のどん底の気持ち、失恋なんかに負けないぞってパワーを貰った時の気持ち、愛されている時の気持ち... 全てが蘇ってくる。そして今日、レイ・チャールズが他アーティストとデュエットしたGenius Loves Companyを買った。楽天仲間の髭ヒロさんとジャスミンさんも絶賛して日記に書いていたこのCDをスタバで見掛けたのが昨日の事だった。レジのカウンターに一枚だけ残っていたのを思わず手に取ってはみたものの、その時はカプチーノだけを持って去った。今日戻ってみるともう売り切れ。違うスタバに行ってみる。無い。一体ミッドタウンにはいくつのスタバがあるのだろうか。角を曲がれば、道を渡ればすスタバがあるのだ。7軒目だった。やっと巨匠に出会えた。知人のミュージシャンはレイ・チャールズが他界する前に一緒にヨーロッパ・ツアーに参加した。帰ってきて、「あんなに騒いだのは、大学以来だよ! でも彼(レイ・チャールズ)は凄いよ!」そう言っていたのを思い出す。CDの裏ジャケット見ると、私の大好きな曲が一杯だ。特にバン・モリソンの「クレージー・ラブ」が私は好き。♪ I can hear her heart beat for a thousand miles (彼女の鼓動が1000マイル離れていても僕には聞こえる) And the heavens open everytime she smiles (彼女が微笑む度に天が開く) And when I come to her that’s where I belong (そして僕は彼女の元へと行く...そこが僕の居場所だから) Yet I’m running to her like river’s song (僕は川の流れのように彼女の元へ急ぐのだ) She give me love, love, love, love, crazy love(彼女は僕に愛を、クレージーな愛を注ぐ)私もいっぱい一杯の愛を注ぐようになるのはいつかしら?ラブ・ソングは恋している時に聴くのが一番いい。恋がしたい...