昔の録音
先日 電車の中で聞く音楽を探そうと思っていたら「グラナダ」と走り書きされていた一枚のMDを見つけた「何だろう・・?」などと思いつつ聞いたら な、なんとグラナダに住んでいたときのライブの録音だった!これは 僕が日本に帰国する寸前の話だから2004年の春、旧知の友人であり 今や世界で活躍するギタリスト長尾ゆうたろうと共にあるテテリアで演奏した時のものだ。こう書くと 二人でライブやったんだ・・という文章に見えるけど実際は マイクやら機材の関係で二人の共演は即却下となりすぐに競演という形となった(ようは 長尾さんがたくさん弾いて、僕がその間に2,3曲弾いただけ)録音といっても MDをその辺のテーブルに置いて録音しただけだから話し声やら 食器のあたる音やらいろいろ雑音だらけで間違っても人様に聞かせられる類のものではないのだが当時の自分の演奏を聞いて その時の感じ・・・・・例えば寒い石の家の中で指をお湯で温めながらギターを練習した日々とか、ライブが怖くて サクロモンテの果てまで散歩に出かけた時とか西日がゆっくりと包んでくれた輝かしい時間とか夜のアルハンブラの静寂とかまでいろんな記憶が付随して一気に蘇り 切なくなってしまった録音は 演奏のチェックや記録を目的としてする事が多いし実際、自分の録音された演奏の鑑賞に耐えられなくなって消去することも多いけどこういう 一種の日記的な録音もいいものですねもちろん 思い出とか感傷的な意味だけではなく当時と今の僕を客観的に対象化して 得たものと失ったもの当時はあって今は無いものは何なのか またその逆も・・・・・・等考察する機会を与えてくれます本気で向き合う時期かもな・・・・