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カテゴリ:美術館、博物館見学記
奈良県宇陀市・室生寺の十一面観音菩薩立像が仙台市博物館で展示されているというので見に行ってきました。 最近読んだ「名人は危うきに遊ぶ 白州正子 新潮文庫」で十一面観音に関する話がでていて 白州氏が訪ねた昭和初期の奈良は、観光客は一人もいず交通も不便でどこの寺へ行くのも長い道中を歩かなければならず、 当時の斑鳩のあたりは菜の花やれんげの畑、そら豆の花もたくさん咲いていて遠くに法隆寺の塔がみえてきて自然に仏にまみえる心の準備ができあがっていき、 寺社仏閣にとって「参道」というものがどんなに大切を痛感したこと、 いきなり車で乗りつけたのではその十分の一のよさも味わえない・・・といった記述が大変興味深かったです。 小川晴陽氏が大正時代末期に観音様を暗い部屋の中から外へ運び、自然光のもとで撮影したという話も載っていたので、その写真もぜひ見たいと思いました。
博物館での観音様はケースの中ではなく、実物が直接展示されているので三百六十度方向から鑑賞することが出来ます。 私がみた感想は、後光がさしているというか、これまで見たどの観音様よりも慈愛にみちていらっしゃると感じました。 「自然光で撮影した」という小川晴陽氏の写真の展示はありませんでしたが、売店で二千四百円で売っていた「図録」にそれらしき写真がありました。 いまの観音様と違って修復はされておらず、頭の上の小さい仏様達には苔が生えていて表情も分からない状態でしたが、白州氏も「美しかった」と書いてあるそのままの写真で、わたしも「見られてよかった」と思いました。 PCでは検索してもみつからなかったので、本当に貴重なものを見ることが出来ました。 また、戦前戦後を通じて室生寺に四十年通い詰めたという土門拳氏の写真も何枚か展示されていました。 印象深かったのは、1975年に撮影された室生寺で一列に並んでいる仏様達の写真(現代のように修復はされていないと思われるがかえって迫力があった)と、
昭和23〜4年頃撮影のお寺のたいこ橋に周辺住民のものと思われる布団や浴衣が無造作に干してある写真があって、私はコレが気に入りました(^^;。 東大寺や法隆寺、平等院などの古寺は修学旅行で行って以来、再訪していないので生きてる間にぜひ再訪したいな。。と思いました。 白州氏の「名人は危うきに遊ぶ」には朝日を浴びた平等院の美しさに関する描写も大変印象深かったです。1910年生まれの白洲氏が子供の頃の平等院は「廃墟に近かった」と書いてありました。 平等院も修学旅行で一度行っただけですが、当時一枚だけ映した平等院の写真が我ながら素晴らしい写りだったことを思い出します。朝一番に行った記憶があるので、それもあって美しい姿が撮れたのかな?と。(画像がみつかったらアップしたいと思います。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.04.26 08:31:29
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