学術論文なので、読みにくいですが、
データをグラフ化して分かりやすく検証しています。
残念ながら、「日本では生まれながらの教育格差がある」
という結論です。
両親が大卒か、所得が多いか、都市圏に住んでいるか、
幼児期から高校まで、生まれ育った地域や両親の学歴や所得によって
意識しなくても格差にさらされているということです。
そして、日本は教育格差について何の対策もしていない。
個人情報保護という理由で、
子供個人の学力や学習環境などの
継続したデータも蓄積されていない。
『
ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治
に書かれていたように、
障害もなく生まれても、
幼児期に育った環境によって、
小学生になっても授業についていけなかったり、
学習意欲がなかったりするようです。
日本の政治家は2世が多いので
当然恵まれた環境で育っているでしょうから、
子供の貧困や教育格差があること自体が
解らないのだと思います。
ほおっておくと、貧困と格差の再生産になるのに
日本の大学の世界ランクが毎年低下しているのも
日本が子育てや教育に関して実効的な政策を
何も打ち出せないことにあると思います。
「金だけ今だけ自分だけ」では
日本の将来は暗い。
子供たちには何の罪もないのに、
自分勝手で今しか見ていない
大人たちの責任は重い。
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