主人公みのりの祖父は戦争で片足を失った。
だが、生きて帰ってきたことへの罪悪感から、
戦時中のことは家族にも話さない。
香川県で育ったみのりは
狭い田舎を抜け出したくて
東京の大学へ進学する。
ボランティアサークルに加入し、
スタディツアーでネパールやヨルダンなどを訪問する。
現地の学校や難民キャンプを訪問しても、
表向きのところしか見せてもらえない。
「同情するなら金をくれ」
のような裏の顔に驚愕する。
読んでるうちに祖父の戦争体験と、
紛争に巻き込まれ親を亡くした子供たちが重なってくる。
日本人が何かしたところで偽善でしかないのか。
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