九州で四代百年続く「医者の家」
明治からコロナ禍の現代までが描かれている。
大正期のスペイン風邪。
命を救うために医者になったのに軍医として従軍し、
歩けない兵士を安楽死させる苦悩。
特に印象的だったのは、
医療先進国のアメリカでは、
お金が無くて保険に入れず、
病気の診断を受けても治療が出来ずに死んでいく。
コロナ禍でも同様、
お金のない人から死んでいく。
同僚だったアメリカ人医師は
「隣のキューバは貧しい国だが、医療と教育は無料で、お金が無くても受診できる」
と、医師としての口惜しさを吐露する。
国民の命を守れない先進国って何
花散る里の病棟 [ 帚木 蓬生 ]